おもいでエマノン (徳間デュアル文庫 か 2-1)
おもいでエマノン (徳間デュアル文庫 か 2-1) / 感想・レビュー
aiaimo`olelo
地球に生物が生まれてから30億年。そのすべての記憶をもつ女性、エマノン。本書は連作短編の形がとられており、一つひとつにSFのエッセンスが含まれている。永劫の時間の潮流の中で生きるエマノンの前を、たくさんの人々がとおり過ぎていく。エマノンは言う。「数時間一緒にいても、数十年間一緒にいても同じことなのよ」。それはどちらも刹那。 私自身も幾度となく出会いと別離を重ねてきた。すぎ去っていった人々の顔が思い出が、浮かんでは消え、浮かんでは消え。それは切なく哀しく、そして幸福でもあるのだなぁ。
2021/01/10
あおでん@やさどく管理人
6作目「たゆたいエマノン」まで読んでからの再読。前に読んだ時より少し理解できた気がする。目当ては最後の「あしびきデイドリーム」。「たゆたいエマノン」でキーとなるエマノンの親友、ヒカリの初出作品。2人の交流はこれからも楽しみ。
2018/02/10
眠る山猫屋
再読。時代を感じなくもないが、やっぱり素敵。九州へ行きたくなるなぁ。 生命誕生の初めからの記憶を受け継ぐ少女エマノンがすれ違う人々を描く連作、ちょっと切なくて、やっぱり優しい。カジシンの原点。責任感に背中を押され続けた少年の物語『とまどいマクトゥーヴ』と、時を超えた想いを抱く男女を描く『あしびきデイドリーム』が好きだなぁ。それにしてもエマノン、最初の物語は生まれる直前の設定なんだなぁ…
2011/08/07
積読本消化中
たそがれコンタクトが好き。 「過去の長さと、未来の長さは、どちらが長いかしらね」
2015/03/29
ごまめ
再読。梶尾真治はホラーやドタバタ喜劇なども多く書いているが、真骨頂はやはり抒情的なSFであるように思う。とはいえエマノンを読むのに「SFであること」は障害にならない。SF的世界観を頭に叩き込む必要もない。リズムのある文体も美しく、上質のジュブナイルとしてもお勧めできる。
2014/12/01
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