仁左衛門恋し (徳間文庫カレッジ)
仁左衛門恋し (徳間文庫カレッジ) / 感想・レビュー
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十五代目片岡仁左衛門。「寡黙の人」が自らの芸と人生を語るファン必見のインタビュー集 ---頁を閉じての感想…本題そのまま「仁左さま恋し」に尽きる。初めて仁左衛門さんの芸を目にした時の衝撃は今でも心に刻まれている。はんなりとした和事、粋な二枚目の世話物、匂立つような色悪…大きな名を襲ねてもなお、真摯な姿勢でお役の心を掴み、その身で体現し、空気を変える。そんな仁左衛門さんのお人柄や歌舞伎へ対峙する”心”が余すことなく感じられ、垂涎の一冊だった。盟友・勘三郎さんの追懐、孫・千之助くんへの眼差しには落涙です。 ↓
2017/05/23
yumiko
幼い時分から素敵な方だなあと思っていた。最初はテレビで、その後は舞台で、いつお見かけしても、その声、語り、佇まい全てに惹きつけられる。「声よし、顔よし、姿よし」と称えられる舞台は、芸に打ち込む真摯で謙虚なお姿があってこそなのだと、このインタビューからもよく伝わってくる。上方歌舞伎の衰退後、歌舞伎座でお役を頂いても端役ばかりであったこと、生死を彷徨う大病を患ったこと、大名跡の襲名や芸の継承について等、すべてに率直に答えるお姿もまた魅力的。お身体を大事にして、これからも素敵な舞台をと切に願わずにはいられない。
2015/06/24
はぴた(半分お休み中)
何と気恥ずかしいタイトル!と思ったけど、いやいや、無理ないです。当然です。気品とか色気とか、もう歌舞伎界でも特別な存在ですもんね。この本は2002年に出版されたインタビュー本に2014年の文庫化の折のインタビューを追加しているので、つい最近の話も舞台を思い出しながら読めたので楽しかった。仁左衛門さんがとてもポジティブで信心深く情熱的な人だということや、勘三郎さんとの交遊、玉三郎さんとの喧嘩(もちろん芝居のことで)、などなどとても興味深く読んだ。
2015/04/18
ゆぽ
インタビュー形式でとても読みやすかったです。平易な言葉でサラッとお話になる芸談は、実はものすごく深い。まわりの評価がどうあろうと常に謙虚で感謝を忘れない仁左衛門さんの人間性、精神性があの芸に繋がっているのだなと思いました。お子さんたちとの対談で『仕事も私生活も幸せであること。自分を幸せな人間に思えること、不幸と感じるときでも、その中に幸せである部分を見つけだせること、その気持ちを持つこと』という言葉が特にグッときました。
2020/03/10
キヌモ
十五代片岡仁左衛門のインタビューに小松成美の文章も挟んでいて仁左衛門を描いている。私自身孝夫時代からのファンなので、「そうそう」とか「そうなんか」などリアルに感じて楽しく読みました。やはり仁左衛門は美しい。
2023/09/17
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