解剖医ハンター 1 (リュウコミックス)
解剖医ハンター 1 (リュウコミックス) / 感想・レビュー
しまはるき
自然科学ではベーコンやデカルト、天文学ではガリレオ、地理学の分野ならコロンブスが宗教や迷信に囚われない科学を発展させてきた。このジョン・ハンターも迷信の生きる18世紀イギリス医学界で臨床医学を徹底した人物で、彼や同時代の偉人や奇人を事実と逸話と脚色とを織り交ぜて描写するのがこの漫画だ。強烈な個性を放つハンターやクック船長といった人物も良いが、個人的にはEPISODE2のクックを翻弄する死神の演出の巧みさに注目したい。終始クックの精神の弱さを象徴するようなことばかり言っており、読み返して改めてぞっとした。
2010/03/03
gachin
死神が良い女の顔をしてるというのが何ともリアルで良い。/学者に対して「出世せんぞ」が褒め言葉として描かれてるの、とても“悪い”漫画だ。/ 解剖中は身体を読んでるって感覚、すごくわかる。/ 登場人物が基本的に全員腹が決まってるので、読んでて勇気づけられる。/ 科学者が暗に進化論を着想してから世に出るまで1世紀かかったのは、このタイミングで教会が弱体化したからだとばかり思っていたが、帝国主義のおかげで人種差別を正当化しなくてはならない政況が生じてたのか。20世紀に思いを馳せればさもありなんだ。
2021/03/29
R-R
嘘の中に本当の事を混ぜると信憑性が増すと言うが、ついでに話も面白くなるとは。まるで嘘のような出来過ぎた設定だが、1話ラストの「実在した人物」という言葉にガツンとやられた。小学生のころに偉人伝記漫画をワクワクしながら読んでいたあの興奮を、再び思い出させてくれた。
2011/03/10
めがねまる
面白い!人体の解剖がタブーとされ、外科手術といえば切断くらいの18世紀に、墓泥棒をして正確な解剖図、解剖標本をつくった男が実在したなんて痛快である。
2012/04/10
せがわ
まとめ買い。/この人って『ジキルとハイド』と『ドリトル先生』のモデルなの?同じ人なの?まじで!?知らなかった。偉人怪人跋扈する18世紀のイギリスで、墓荒しの元締めやらグールやらと誹られても一向気にかけず死体を切り刻み、千六百年の医学の遅れを罵って、一人「二百年先を行く」と豪語する破戒医が主人公。二話目で早くも過去エピソードに入るのがやや気になると言えばなるが、女たちがいい味出していたり動物が可愛かったり、脇役もなかなか見所あり。最初だけ妙に劇画調なのを乗り越えれば、あとはとっても熱い漫画。
2011/11/06
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