つつじのむすめ (あかね創作えほん 5)
つつじのむすめ (あかね創作えほん 5) / 感想・レビュー
mocha
赤いつつじの花言葉は「燃え上がる愛」だとか。握ったもち米がつきたてお餅になるほどの熱情は、そりゃあ相手からすれば重すぎるだろうな。毒を持つつつじもあるそうなので、考えなしに蜜を吸ってはいけません…というお話?
2020/05/07
pino
美しい娘。祭りの日に親しくなった若者に会いたい一心で、毎夜、走る、走る。一つ、二つ、五つの山をこえ、若者の家まで。ほほを赤く染めた可憐な娘、立ちはだかる黒い山。娘の一途な恋心は、やがて、魔性のものとなり、若者を苦しめる。幻想にも似た二人の幸せな日々と、娘に殺意をもった若者が待つ、切り立った山の険しさの対比が物悲しい。そして、美しく真っ赤に咲き乱れるつつじ。画も素晴らしい。(余談)女の情念は赤い化身となるが、男の情熱は何色に変わる?青?そこらをなぎ倒し流した涙が湖を満たし、結構、人々の役に立ってる様な気が。
2012/07/12
ベル@bell-zou
夜な夜な五つもの山を越えて愛しい若者の元へ通うむすめ。祭りの場面に描かれた魔物にとりつかれたかのようにその思いは一途が過ぎ、若者に恐怖を与えてしまう。娘は哀れだが若者の気持ちもわかるなぁ。握りしめたお米がご飯を通り越してお餅になるってすごいと思いつつちょっと餅つき機的な??とも思ってしまった。丸木俊さんの画の赤が幻想的でありながら毒々しさも感じる。
2021/11/03
長くつしたのピッピ
語りのテキスト用に読んだ。何度読み返しても,大人向けと思える。松谷さんの文章にしては、簡潔であるが故の女の情念と男の怖気が鮮明に伝わる。けれども、こんなに強く思う気持ちがあれば、若かりし頃の叶わなかった想いも伝わっていたのかなと、思案してしまう。おはなし会のテーマは、「古今東西の女たち」
2024/08/16
おはなし会 芽ぶっく
山を5つ超える先に住んでいる若者に恋した娘。一夜のうちに山を越えて会いに行く。毎晩現れる娘と眠らず過ごすうちに、若者はだんだん精気が無くなっていった。そして嵐の夜、今夜は来ないだろうと思っていたが、ずぶ濡れ姿で娘は現れる…。絵本ですが、男女の情念が濃いので、子どもにはどうなんだろう?と考えてしまいます。
2019/03/24
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