バウンド: 纏足 (YA Dark)
バウンド: 纏足 (YA Dark) / 感想・レビュー
ぱせり
儒教の国で強い女になってしまったら王子との結婚が大団円になるとは思えない。ラストどうするのか、と気になって。最後の一文、よかった。思えば包帯でぐるぐる巻きにしたのは女性の足だけではなかったのね。
2013/04/17
ふじ
中華風シンデレラ。バウンド=拘束された足。以前纏足について調べた時、積読にしていた本。主人公自身は纏足していないが、義理の姉の纏足描写がもう痛いのなんの(汗)。シンデレラが元ネタとはいえ義姉はさほど意地悪でもなく(むしろ母親の無自覚虐待による被害者・もう一人の主人公?)、継母も、寡婦ゆえの心細さと儒教的抑圧によって心を病んだ犠牲者と読める。途中まではテンポもよく面白いが、終盤で王子(皇太子)が登場してからの展開がやや駆け足でご都合主義。自立的な主人公が彼に惹かれる納得できる課程をもう少し描いて欲しかった。
2016/04/10
鳩羽
シンシンの苦労や小さな冒険の部分がちょっと物足りないような、ばたついていたような気がしましたが、やっぱり読後感がなんとも言えず気持ちいいです。その浄化作用はおとぎ話をモチーフにしているから? 児童書だからか、あまりエロティックな方面にはいきませんでした。でも皇太子とシンシンの会話がとてもロマンティックに感じました。それにしても、お姉さんがかわいそう。
2009/04/11
みなみ
腹違いの姉の纏足描写がすごく痛そう。悪霊が信じられる呪術的な世界、おまじないではなくて実際に痛みに効く薬、シンシンが思い描く詩の世界の美しさ、色々な要素がミックスされたお伽噺。しかしシンシンはちょっと心が清すぎるかなあって思ってしまった(^_^;)
2019/02/18
すけきよ
中国版『シンデレラ』。マジカルな要素もなく、一見、そうは見えないんだけど、読み進めればしっかりとシンデレラなのが、さすが童話の再話をいくつも書いているナポリの技量。また、お伽話が持っていたグロテスクさもしっかりと織り込まれており、しかもカニバリズムに近い部分にまで到達している。母親が狂人なのは同じだけど、姉が当時の風潮に毒されているとは言え、人格破綻者でないのが面白く、彼女を通して馴染みの薄い明朝の女性観、結婚観を共有することができる。それがあるからこそ、主人公の聡明さと異質さ(当時にあって)が際立つ。
2012/02/08
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