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ち-ちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)

ち-ちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)

ち-ちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!)

作家
阿部共実
出版社
秋田書店
発売日
2014-05-08
ISBN
9784253130431
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ち-ちゃんはちょっと足りない (少年チャンピオン・コミックスエクストラもっと!) / 感想・レビュー

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海猫

話はまったく突飛でもなくむしろ平凡でどこかで実際に有り得そう。それなのに漫画としての異化効果が猛烈。序盤のほのぼのした日常に見え隠れしたドス黒いものが話数を追うごとに溢れてくる様は凄い迫力。人間関係、心理が歪むし実際に絵も歪む。座りの悪いまま着地点がなく終わってしまうのが強烈な不安感をよぶ。この感じは文学的であるし怖さという点では上質の心理ホラーともとれる。よろよろしているヤジロベエを見てるかのように落ち着かない。この読後感に持っていくためのさじ加減が絶妙。

2014/12/11

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

ほのぼの系の話だと思っていたら油断した……。本当の主人公は〈ちーちゃん〉じゃなく、彼女の影に隠れている〈ナツ〉だと思うと、物語の印象が一変。「差別」「自意識」などの重いテーマに迫った本。ちーちゃんは、いろいろ足りないものがあるけど、周りの優しさに助けられ天真爛漫に生きている。クラスに存在する目に見えない〈階級〉もちーちゃんには関係ない。意識するのは〈普通の〉ナツ。眩しくて〈あっち側〉には行けない。でも、ちーちゃんを下に見て安心している限り、〈こっち〉でも生きにくいだろうな。それに気づければ楽になれるのに。

2015/03/01

いつでも母さん

息子に「母さんは読まない方がいい!」って言われてました。キツかったです。ちーちゃんが可哀相とかじゃない。ちーちゃんはそのままで・・きっとそのまま真っ直ぐに成長するのだと思う。問題はナツ・・わかるよ気持ちは。だけどだけど・・あゝ、明日は晴れるかなぁ。苦しさに泣けてしまいました。そんなこと・・なんて思えない問題提起だけで、とても後味の悪い思いは私だけでしょうか?

2017/09/19

しいたけ

ちーちゃんに、ギリギリでも居場所があることをまずは嬉しく思う。そして問題のナツ。誰もがその片鱗を持つ重たい「自分の所属」問題。この本ではナツが背負っている。くだらない、成長しない自分。人から見る自分への根拠以上の自信のなさと、不遇感。わかるよ。わからないとは言わないけれど、私はお友達にはなりたくない。浄化するのはいつでも自分。それにしても、リアルすぎて怖かった。

2017/10/24

流言

冒頭の足りなさに痛みを感じて積んでいたが、話題を読んでいたので手に取ったら更なる痛みに苛まれた。足りないのはちーちゃんだが、こういう形で心をえぐってくるのは覚悟できていなかった。所詮は他人事だった『ちょっと足りない』ちーちゃんの話から、表情が真っ黒に染まるシーンから世界から蹴り落とされたような感覚におそわれてとても心に深く突き刺さる。自分は悪くない、自分は頑張っているのに世界が悪いんだ、自分にももうちょっといい目にあってもいいはずだ。という思考に陥ってしまうことはよくあるけれど、そういう時に読み返したい。

2014/12/27

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