コミック横溝正史金田一耕助の事件簿 (秋田文庫 66-1)
コミック横溝正史金田一耕助の事件簿 (秋田文庫 66-1) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
メインはもちろん、長尾文子の作画による「八つ墓村」。昨日読んだ(!)1960年代の影丸譲也版と、ほとんど対照的と言ってもいいくらい、画風が異なっているのがおもしろい。金田一さんもイケメンに描くのが21世紀か。どちらかを取れと言われれば、長尾版の方がいい。時代設定も原作通りだし、何よりも、どの映画版「八つ墓村」からもネグレクトされている典子の存在が、本作ではしっかり描かれているのが光っている。初登場の場面とラスト近くでは、顔かたちさえ、ほとんど別人のように描かれ、辰弥の心境の変化がよくわかる。
2014/08/03
ぶんぶん
一応、全編読んだが、これは表題作を長尾文子版・八墓村と言っても良いだろう。それを目当てで買ったのも事実だし、総頁546頁中379頁を費やしているのですから…八墓村の漫画化は師匠である影丸穣也が既に描いているが長尾文子の八墓村も雰囲気が出ている。オドロオドロした中に僅かに色気の様なものを感じる。やはり長尾文子の金田一シリーズは良い。他に4編を収録のアンソロジー。
2014/04/14
軍縮地球市民shinshin
金田一耕助が登場する長編と短編をいろいろな漫画家が漫画化したもの。秋田書店の『サスペリア』に掲載されたものをまとめたものだろう。影丸穣也が40年ぶりに金田一モノを手がけた「霧の別荘の惨劇」や、影丸のアシスタントだった長尾文子「八つ墓村」が収録されている。特に長尾の「八つ墓村」はかなり横溝の原作に忠実で、読み応えがあった。原作小説がエンターテイメントに徹していて、それを忠実に再現していて良い。キチンと最後はハッピーエンドの「大団円」になっていて非常に良かった。
2022/10/11
大泉宗一郎
『八つ墓村』だけでもよかったのでは、と思う。余計なものを入れず物語を絵にしてくれました。しかし、どれも金田一のイメージが合わないような気がします。『霧の別荘の惨劇』は、筆が崩れ過ぎて顔が変わってしまう。それ以降の金田一は少女漫画に登場しそうな美青年やら、猫のような目つきやらで何か違う。雰囲気も、横溝正史が描きたかった世界ではない。原作ファンとしては鵜呑みにはできません。
タリホー
5人の漫画家が描いた5種類の金田一、個人的には「霧の山荘の惨劇」が一番しっくりきた。後の4つはダメではないがキザな部分が強かったり美形になってたり、反対に陰険な感じになっている作品もある。原作は1番目、2番目を読了しており、あとの3作は未読だったのでそこそこ楽しめた。「傘の中の女」はクリスティの『白昼の悪魔』と雰囲気が似ていたと思う。
2015/07/05
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