cocoon(秋田文庫74-1)
cocoon(秋田文庫74-1) / 感想・レビュー
ばう
★★★★ この本を読めて本当に良かった。太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、看護隊として活動する女子学生たちは戦争さえ無ければ美味しいもの、綺麗なものに胸を躍らせて楽しく生きていたはずなのに。夥しい死体やウジ虫に囲まれて食べるものもない毎日、「私たちは想像の繭に守られている」というおまじないを自らにかけなければとっくに発狂していただろう。マチ子さんの絵はリアルなタッチでは無いのに彼女達が置かれた壮絶な日々がこちらにもしっかり伝わってくる。これは沢山の人に是非読んでもらいたい本です。
2021/02/12
ピロ麻呂
時代背景などの記述がなく現実と空想が入り混じった世界で、戦争に翻弄される少女たちを描く。ほんわかしていてかわいい絵だけど、グロい描写もあり戦争の悲惨さがとても伝わる。戦争のない平和な時代に、僕たちが生きていること…それはとても幸せなことですね。
2019/09/27
こうすけ
沖縄戦をえがいた少女漫画。あくまでファンタジーとして、面白い。実際はこんなものじゃなかっただろうし、沖縄の人が読んだら色々思うところはあるだろう。それでも、戦争を体験していない世代が、戦争について語り継ぐことに意味がある。
2022/06/25
江藤 はるは
ゆらゆらかげろうが あの子を包む
2020/02/13
SaTa
夢の中で彼女たちになった。可愛らしい著者の絵とは正反対の地獄。しかし繊細なその絵と儚い少女たちの生は何よりもマッチしているように思う。彼女たちの死や生き残った命には賞賛も憐れみも必要ではない。綺麗事は必要ではない。当たり前の生活を奪ったものは結局何か。大きな不条理が戦争でありそれに抗うには人はあまりに小さい。第二次大戦でのひめゆり隊をベースに描かれた物語。あくまでこれは漫画である。無力さや無学さに恥ずかしくなるだけなのだが、現実を知って考えていくことは止めないようにしたい。70年前は昔ではないのだ。
2015/04/19
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