鬱ごはん(3) (ヤングチャンピオン烈コミックス)
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鬱ごはん(3) (ヤングチャンピオン烈コミックス) / 感想・レビュー
鱒子
1&2巻の頃と比べると、貧しさ、閉塞感、絶望感、そして食事の醜悪さが薄れています。主人公の脳内にしか存在しない妄想黒猫は、もはやソデ(カバーの折り返し部分)にしか居ることを許されないのでした。作者の絵がすごく上手くなっているのが、嬉しくもあり寂しくもあり。
2019/09/27
ぐうぐう
鬱々とメシを食べる。ネガティブであるということは、思考と妄想を導く。こんな具合だ。「最近ようやくスーパーのセルフレジを臆することなく使えるようになった 年齢を重ねるごとに新しいことをするのが億劫になっていく だが何かを得るには動くしかない 大切なのは最初の一歩を踏み出せるかどうか 心理的ハードルの高さは二歩目三歩目と続く程にみるみると下がっていく 殺人に例えるなら一人目を殺す時と二人目以降ではハードルの高さは桁外れに違うだろう」そう鬱々としながら、鬱野は五度目のサブウェイに入る。(つづく)
2019/04/16
あーびん
巷のグルメ漫画は過剰なほどの食礼賛の喜びにあふれているが、この漫画でみられるのは孤独な青年の食に対するネガティブな想いというのに意表を突かれる。でも食も当たり外れがあるからそのアプローチも奇妙に納得できる。そして毎回主人公の残念さに共感しつつ、つまらない主人公のモノローグになんだか哲学的な深さを感じてしまう。3巻はけっこうアクティブだったね。
2019/03/22
tamako
ツラさちょっと緩和。沖縄に行ったりしてるからだな、多分。しかし、都内でフリーターで一人暮らし。洗濯機は持ってないけど風呂トイレは付いてそうな物件(ミニキッチンがあるので)、上手に節約して旅費などを捻出しているのであろうか。
2020/09/28
耳クソ
キャッチャー・イン・ザ・新幹線の座席のお盆としての自分を、三十を過ぎるにあたって見出だしつつある鬱野。「就職浪人」として日常に慣れ、将来への不安が少し消えつつある(問題が消えたわけではない)からかだんだん行動的になっていくが、それは回復してポジティブになっていくというより、不安を募らせる気力と体力すらなくなっていく過程なのかもしれない。言葉はどんどん自己完結していき、空想に黒猫の関西弁はもう見出だせない。不安は悲観へと変わっていく。それは自分からですら気づくことのできない人生のうちの変容である。
2020/08/19
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