先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学
先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学 / 感想・レビュー
やいっち
一部からはトンでも本だという噂も。そもそも40年前の本を何故今さら訳して出すのか。その後の研究で本書で参照されているデータについて否定されていることも少なからず。 本書は、表題にあるように、プラトンの著作で示されているアトランティス大陸伝説をただの神話や言い伝えではなく、実は本当にあったことだという前提で、アトランティス大陸が洪水などで沈んだのであり、それはプラトンの書『ティマイオス』や『クリティアス』などにあるように、古代ギリシャから遡ること九千年前(現代体と11,000年前になる)に起きた。
2020/05/04
サアベドラ
「プラトンに出てくる先史時代の記述を最新の考古学の見地から再検討する」本かと思いきや、「プラトンの記述を(明らかにおかしいアトランティスの部分をのぞいて)鵜呑みにして地中海各地の遺跡を眺めてみたら、衝撃の真実が浮かび上がってきた」という類のトンデモ本だった。著者は無名の考古学者。翻訳は2018年刊だが、原著は1987年でなんと30年も前。どうりで最近見つかった遺跡が出てこないわけだ。著者略歴も訳者あとがきも書いてないので、読む前からなんか怪しいと思っていたがここまでアレな本とは。あ、文中の挿絵は綺麗です。
2018/08/02
hal
あのプラトンの、アトランティスについて書かれた部分を、アトランティスは場所の特定ができないので置いといて、紀元前1万年に古代文明があったという方向で、関係各地の古代遺跡について伝説を含めて書かれています。遺跡や遺物の図式等は面白いが、考察に関しては信憑性はどうなのかと思う部分がある。トンデモ本としては、一気に読めるものでもないし、読後の面白さがないのでイマイチです。巻末の附録のプラトンの『ティマイオス』と『クリティアス』の抜粋が面白かった。光瀬龍さんと萩尾望都さんの『百億の昼と千億の夜』を思い出しました。
2018/06/09
gorgeanalogue
考古学の知識はまったくないし、地名と文明名が覚えられないので、全然読めていないんだけど、神話と考古学をつなぐ、壮大な文明史(同時に文明史批判)は痛快である。農耕と冶金と錬金術(そして本書では触れられてないがおそらく原子力まで)は、世界と人間をともに変化させる、繰り返し行われる試みであった。そして…ザラスシュトラ=空海?
2018/05/04
Book shelf
簡単に言えば、人類史、特に石器時代の人類を再評価する試み。プラトンといえば、その著書に「アトランティス」を登場させたことで知られていますが、これについて絵空事とはとらえずに、何らかの歴史的な出来事の反映だととらえて、人類史を見直しています。とはいえ、アトランティスは本書ではあくまで、既成概念を見直すきっかけにしているにすぎず、これについてだらだらと論じているわけではない。考古学的な証拠から石器時代を再評価している点に本書のテーマがある。
2018/09/29
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