深くておいしい小説の書き方: W大学文芸科創作教室
ジャンル
深くておいしい小説の書き方: W大学文芸科創作教室 / 感想・レビュー
sabosashi
再読。多感な著者の青春に思いをはせる。ある意味でとても欲張りだったのか、それとも理屈っぽかったのか。あらためてドストエフスキーへの傾倒を実感。たしかに二十歳以前にドストエフスキーを読まないことには世界がどうしてもみみっちいまとまり方を強いられてしまう。口あたりのよさこそ、多くのひとに受け入れられることになるが、じつは諸悪の根源であるともいえる。
2024/06/21
おいしゃん
いざ、小説を書こう!と思ったときに読む本ではなさそう。あと、講義を文章にまとめた形式なので、やたら(笑)が出てくる。きっと生でこの講義を受けていれば笑えたのだろうが、読むと軽薄に感じてしまう(笑)
2014/03/05
袖崎いたる
「小説を書く」ことだけでなく文学を考えるのにもけっこー有用な本。著者については「この世に人間として生まれたのなら、トルストイは読むべきです」(p279)という言葉を引用すれば足りる気がする。注意すべきは小説にとって<深さ>と<おいしさ>とは何かという点だろう。その二点はサスペンダーなダブル・バインド状態を呈する。それはまた実存と構造の対立でもある。つまり分かり易い小説はその分かり易さのぶんだけ底が浅くなるのであって、作品のスケールとはむしろ分からなさという後景によって保障されるのだということがあるわけだ。
2016/09/09
カムパ
早稲田大学文芸科創作教室の講義の内容を本にまとめたもの。 小説を書く人にとって役立つのはもちろん、そうでない人にとっても、「文学」って何だろう? 「小説」って何だろう? と考えさせられる本です。 しかも、読んでてとても楽しい。 この本を読むと、世界で最も偉大な作家はやはり、ドストエフスキーだということが分かりますね。
2010/03/05
あひる 34号
実際に講義が聞けたような、得した気分。小説の書き方の指南書というよりは、小説と共に生きていく楽しみを教えてくれる本。
2015/10/19
感想・レビューをもっと見る