三億の郷愁 (ソノラマ文庫ネクスト し 1-1)
三億の郷愁 (ソノラマ文庫ネクスト し 1-1) / 感想・レビュー
KANEO
清水義範の時間SFものの自選短編集。作品の多くが60年代、70年代にタイムスリップしてしまう作品で、当時の世相が堪能できるのが素敵。三億円事件の犯人から三億円を横取りしてしまおうという表題作や、60年代前半のTVの雰囲気が楽しめる『タイムトンネルだよ、ピーナッツ!』なんかも良かったけど、何よりも素晴らしかったのは『また逢う日まで』しょぼくれた青年と隣人の老婦人との不思議な交流のお話。オチなんて最初から気付いていたけれど、それでも…ラストで当時の流行歌が流れた瞬間、涙を堪えることができなかった!
2014/10/30
スタッフW
第4回ビブリオインノルテ1回戦のチャンプ本。短編6篇中、洋画のプロットになりそうな「また逢う日まで」の余韻が頭一つ抜けてるのは間違いないけど、敢えて後半3本を推してみたい。「11人いる!」に掛けた「21人いる!」、まとめが巧い。そして「バイライフ」、これがマイベスト。『蒼い時が訪れた』『彼はどうも三重になってんな。』が秀逸!! この本は自選というのがミソで、最初の「三億円…」で興味を惹かせて「また逢う日まで」でグッと惹き付けて後半に雪崩れ込むという構成が実に巧い。SF未タッチの入門者にうってつけの一冊。
2015/07/04
けん
大好きなタイムスリップもの。作品は古いが、中身はとても面白く、どれも秀逸だった。←5年ぶりに再読。「バイライフ」以外は、面白いとは思えなくなってしまった(この短編は、所管本「黄色い部屋の謎」にあり)。時代背景の古さにも、ノスタルを感じることがなかった。よって、「ブックオフ行き物件」に決定!
2020/07/06
鈴と空
6編中2編は別の短編集で読んだことあったな。「また逢う日まで」の雰囲気と終わり方が好き。「人生かし峰太郎」はターミネーターが坂本竜馬を助けるって設定にビックリ。
2008/09/19
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