宇宙戦艦富嶽殺人事件 (ソノラマ文庫ネクスト)
宇宙戦艦富嶽殺人事件 (ソノラマ文庫ネクスト) / 感想・レビュー
へくとぱすかる
「ヤマト」の自主製作パロディアニメを巡る事件。伏線を存分に発揮して、真相の意外さを追求していて、読み終わって「さすがだ」と思った。究極のトリックを何とか実現させることは「仮題・中学殺人事件」以来だが、こちらは副次的な趣向と思える。私が「富嶽」のことを知ったのは、半藤さんの「15歳の東京大空襲」からだが、辻さんの作品も空襲(名古屋)を知る「心ある男の人」の価値観で通してくれている。
2019/09/28
雪紫
再読。「では‥‥‥こんどの小説ではね、読者が犯人であるだけではない、探偵役をつとめ、且つ被害者になる」そんな新作を依頼されたポテトがスーパーと一緒にアニメ研究会の関係者を襲う連続殺人に迫る。メインのネタは「仮題」が綱渡りじみた屁理屈言われたけどそれ以上の綱渡りで力業だよ・・・(あっちの読者が犯人は正直ツッコミどころある・・・)。当時のアニメに対する無理解や若者の想い、年寄りをいばらせておくのも親孝行、戦争の影響など事件以外の見所も十分。当時の年寄りよ、日本のアニメは世界が誇るものになってるぞ!
2019/09/12
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