恐怖のカタチ (ソノラマ文庫 お 1-5)
恐怖のカタチ (ソノラマ文庫 お 1-5) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
再読。1995年に出版された奇妙なテイストの短編集。女性にしか描けないよな、っていう表現が多数。男脳には新鮮。いや、これは大原まり子さんならでは、なのか?誰とも最初は語られない主人公の告白からはじまる『憑依教室』の生々しさ、そして愛憎。怪異より不穏で、怖いよ。男には理解し難い女性の想い。
2017/09/18
小説大好き
好きな作家なので読みました。日本SF界の天才中の天才だと思います。とても好き。しかし、パラテクストへの意識が薄いのか『戦争を演じた神々たち』『ハイブリッド・チャイルド』『アルカイック・ステイツ』など表紙が軒並みめちゃめちゃにダサいのが、世代を超え現代の若者にブレイクし切れない一因ではないかと邪推しています。それぐらいダサい。イラスト変えて復刊しろや。女性作家ならではというエクリチュールフェミニン的な意見には賛同しかねますが、確かにバーみたいなフェミニストSF研究者にも発掘してほしかった作家だとは思います。
2021/02/02
漣
人間の邪悪さを描くのが巧い。大袈裟でなく、過剰でなく、誰しもが持ち得る悪意や猜疑心。主人公たちはふとした瞬間に自分や他人のそういった感情に振り回され、時としてその身に怪異を呼び込む。どの話も面白かったけど、特に良かったのはホラー味の強い『憑依教室』『お守り』『真夏の夜の会議』。自分より下だと思っている友人の描写、エグすぎる……。
2024/02/07
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