乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル (ソノラマ文庫 ま 3-2)
乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル (ソノラマ文庫 ま 3-2) / 感想・レビュー
眠る山猫屋
実に牧野修さんらしくない(良くも悪くも)作品だった。しかし世界の基幹たる物語宇宙論は、その後の牧野作品にも度々登場する。ホラーだろうとSFだろうと、牧野さんの『物語至上主義』は貫かれているのだなぁ。素敵。
2015/09/03
卯月
再読。人造生物「擬人種」の反乱により、人類が滅亡に瀕した未来。少女ピュセルは神のお告げに従い、人類の王となるべき少年・縷々沙(ルルスナ)の許へ旅立つ。フランスの聖女ジャンヌ・ダルク、通称〈乙女(ピュセル)〉のSF版。記述式無限選択航法や擬人種の設定は面白いが、大筋は史実通りで、知識があると地名や人名でいちいち笑えて困る。ジャンヌの出発から、王太子シャルルが戴冠し王になるまで相当の話。乙女と王の間に罅が入り、この後こそ面白い展開になるのに、ここで終わり? 個人的には、神のお告げにもSF的説明をつけて欲しい。
2013/02/21
eschalot
再読。元ネタのアニメが大好きなので、最初読んだ時の正直な感想は「ズルい!」だった。オマージュというかリスペクトなんだろうけど、これと「アシャワンの乙女たち」はどうしてもモヤモヤしたものが残ってしまう。
2018/05/19
YumiNya
「わたしくがやらねば、誰がやるというのです」この揺るぎない絶対正義。神に仕え戦う清廉な乙女の物語、スカッと爽やか勧善懲悪…ではないな、多分違う(笑) 主人公ピュセルは、物は物だ、そこに魂など無いと切って捨てる。うーん、擬人種と人との関わり方は、目をつぶってはいけない核の部分のはずなのに、あえて目をつぶったまま話を進めてしまう強引さ。ピュセル怖いわ。思春期の正義感は、もしかしたらこんな感じかもしれないけれどね。 実はとてもブラックな話だと思う。
2013/05/27
那生
SF世界にジャンヌ・ダルクを放り込んでみました的作品。ベッソンの映画「ジャンヌ・ダルク」を渡されて「これSFに直して提出」とでも言われたのかと思いました。活字が詰まっているわけでもないのに読むのが辛かったです・・・。どうせなら裁判まで書いてくれれば少しは面白かったかも。
2011/07/13
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