大島弓子選集 (第7巻) バナナブレッドのプディング
大島弓子選集 (第7巻) バナナブレッドのプディング / 感想・レビュー
紅はこべ
高3の夏休みといえば「夏の終わりのト短調」。「昼近く起きて、好きなクッキー焼いて、夜は本に熱中するんだ」「バナナブレッドのプディング」峠さんの愛の告白が素敵。「ぼくはきみがだい好きだ。薔薇のしげみのところからずっとね」本当に峠さん、神様かも。
2017/08/26
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
〈24年組〉と呼ばれる大御所少女マンガ家・大島弓子さんの傑作選。『バナナブレッドのプディング』は1977年の作品。主人公の衣良は精神が境界線上にあるパーソナリティの持ち主。姉が結婚することでさらに精神は不安定になります。幼なじみのさえ子は彼女を救うため、兄の峠を〈後ろめたさを感じている男色家〉の設定にし偽造結婚させます。そこに真性の男色家カップルを巻き込み、ひと波乱もふた波乱も起こるのです。大島さんは猫をテーマにしたエッセイマンガも描いていましたが、初期のストーリーマンガの絵は実に繊細。そして難解です。
2015/01/08
shikashika555
24年組作家作品を読もうと思い立ち手に取ったところ、画風と内容の乖離の大きさに驚くやら混乱するやら。 この画風でなければ、ましてやリアル画像などであれば、 病的な精神状態と唐突な言動が 見る人の警戒感と不穏なものに対する好奇心を刺激して 全く違う作品になっているだろう。 主要人物は幻聴や認知の歪みまくったかなり本気の病み方であるのだが。 そして断片的な流れの組み合わせで話の転帰としてまとまりのあるものでもないのだが。 リアルでもファンタジーでもない話の断片は、何故か注目してしまう。 なんだこれ。
2021/11/19
トーマ
大島弓子の描くヒロインたちは、見ていて危なっかしい子が多く、読んでいるとハラハラする。その危なっかしさは彼女たちの純粋さのしわざで、周りに合わせて生きてしまっている僕らにとっては、読んでいてイライラする反面、どこか羨ましくも思えてくる。そんな危うい彼女たちにの周りには、必ずといって理解者いる。ヒロインに振り回されながらも、どうして彼らはそんなにも優しいのだろう。読者である僕らも彼女たちを嫌いになれないのは、彼女たちが僕らの心の奥底にある何かを、代弁しているからなのかもしれない。
2018/05/28
rachel
代表作のひとつとしてタイトルは知っていたけれど、実は初めて読む。すごいなぁ。10代の少女の圧倒的なわからなさ、本人でさえももてあます感情をこんな風に描き出して見せるとは。いやはや、すごい。時代とともに読まれなくなるのは惜しいと思うわ。
2012/12/20
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