牧神の午後
牧神の午後 / 感想・レビュー
阿部義彦
山岸さんはリアルタイムでは、あまり読んでませんでした、ブックオフで見つける度に読んでます。今更ながら、面白いです。絵柄は今とは違いますが、表題作では、新しい振り付けまで考案して、運命の悲哀を描きます。また、「二日月」では、オカルトを全否定しておいて、「顔の石」では、ポルターガイストを肯定的に、描く、偶々だと思うけど興味深かったです。
2015/05/19
みのにゃー
処分前の再読。私の本は朝日ソノラマのA5版。表題作他『顔の石』『二日月』『月読』を収録。バレエ以外のことは全く出来ないニジンスキー。これが天才なんだろうな。他のものを全て差し出して手に入れた才能と言うか。『二日月』は珍しい現代日本の高校生の話。イメージ・コントロールという言葉をこの漫画で知りました。
2020/02/27
alison
再読 語り手がニジンスキーの前に振り付け師としてバレエ・リュスで活躍していたミハイル・フォーキンなのが凝っていていい!ニジンスキーは結婚により解雇されなければもっと素晴らしい作品を沢山残してくれたのかな。 黒鳥に出てくるバランシンといい実在の人物を描いてくれるところがほんとにいい。
2019/12/05
Q afuremark あふれ印
作者の女性恐怖、母なるものへの嫌悪には凄みがある。「顔の石」の主人公は先妻の子に向かって「あなたのお母さんになれるなどとうぬぼれてはいない、良い友人になりたい」と話している。この台詞が「あなたの本当のお母さんになりたい」であったら、相当怖い話しになっていただろう。「牧神の午後」は伝記に終始してストーリー的には硬い印象。「二日月」は(この男の子健康的過ぎて、成績はいいけど無神経な営業マンに成長しそうだな〜)、「月読」が無駄無く完成度が高く、一番面白かった。
2013/11/03
れえな
YouTubeでニジンスキーの『春の祭典』を観ました。いやあ、天才ですね、この人。バレエにありがちな跳躍とか回転とかを一切排除しているのに、ジョン・ケージの「4分33秒」と同じぐらいの衝撃を受けました。ワッツァが踊るための翼は持っていても、地上での雑事をこなす腕を持っていないというのは、すごく理解できる。やっぱり山岸先生はすごいな、と。
2011/08/09
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