俺に似たひと
俺に似たひと / 感想・レビュー
散文の詞
いつものように、解説なんかを読まずに読み始めたけど、”俺に似たひと”とは、自分の父親のことでした。 その父親の介護の話です。 私の近しい人にはすでにいないので、介護の経験はありません。 実際の話としては、よくわかりませんが、読むのが辛くなる場面も有りましたね。 でも、それが現実なんでしょう。 元々ビジネス書なんかを執筆している作家さんなので、表現もうまいし、読み応えもありました。
2021/04/27
はつばあば
この作家さん同学年のようです。この方はまだ自分達夫婦の身が安泰であることに安堵されてもいいかと。私も両親の介護は終わりましたが、次は私達二人のことが心配でこの本を手に取りました。老いに始まりの合図は無く・・と書いておられましたが当人たちにはわかっているのです。不安・・この先の死よりもその過程が不安なんです。施設ですか?在宅ですか?。娘達労働者に在宅希望はできません。せめて爺さんだけでも在宅でと思いますが・・。介護する者と介護を受ける者との違い。死を身近に感じる前にならなくちゃわからないものなのでしょうね
2021/12/17
ひな
足のケガがキッカケで私たちの家に祖母を引き取り4…5年?たった。祖母に対して不満があるわけじゃない。それはきっとみんな同じ。だけど…自分では もぅ歩けない祖母と暮らす中で綺麗事では済まされないコトも たくさんある。ありがたいコトに今は せん妄も認知もなく たまに?なコトを言ったりはあっても まだ笑い飛ばせるレベル。それでも やはり介護する中で それぞれ余裕がなくなる瞬間があって揉めてる声を聞くと、逃げ場のない…やり場のない感情に苦しくなる。だけど…”老い” とは自分の行き先でもある。誰もが向かう道なのだ。
2019/03/20
ruki5894
認知症の父親を在宅で介護している身で、興味があり手に取った。思想も生活環境も全く違う父と息子が、2人で暮らす。淡々とながれていく時間が、ありのままに綴られている。読んでいるこちらはラストを知っているが、実際の生活では当然ながらラストは知らされておらず今がどのくらいの地点なのかも不明だ。でも、介護の手引き書よりはすんなりと読めた。身に染みながら。
2022/11/04
りつこ
老いるということは本当に希望のないことなのだなぁと思う。身体がどんどん衰えていって自分のことを自分でできなくなるのはどんなに辛いだろう。愚痴や恨みをこぼさず淡々と介護してくれる息子に父は何を思ったのだろうか。後悔もないしやりきったという満足感もないと作者は言うが、きちんと向き合ってその中で楽しみながら介護した姿勢は本当に素晴らしいと思う。辛い話だけど爽やかな読後感がある。
2013/05/03
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