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異なり記念日 (シリーズ ケアをひらく)

異なり記念日 (シリーズ ケアをひらく)

異なり記念日 (シリーズ ケアをひらく)

作家
齋藤陽道
出版社
医学書院
発売日
2018-07-23
ISBN
9784260036290
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異なり記念日 (シリーズ ケアをひらく) / 感想・レビュー

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s-kozy

写真家・齋藤陽道さんの著作を2冊続けて読んだ。これも人に勧めたくなる素敵な本だ。同時刊行の「声めぐり」は写真を中心にして、様々な経験をして、いろいろな声があることを探りながら子を持つに至るまでの齋藤さんの「これまで」を書いたもの。この「異なり記念日」は、子どもを通して知ることのできた新しい現象を書いた「それから」となっている。「聞こえる家族」に生まれた聾者の齋藤さん。「聾家族」に生まれた聾者の奥様。二人の間に生まれた聞こえる子ども。異なることに価値を見い出し、境界線を軽やかに乗り越える齋藤陽道に大注目だ。

2018/08/16

ばんだねいっぺい

 木皿さんの小説を読むような優しさやぬくもりを感じた。ろう者の夫婦とcodaの子ども。音が聞こえないことは不幸ではないけどもと続く先のこと。それでも、異なることはうれしいことと受けとるような感性の持ち方が素晴らしいなぁと思いました。夜の自転車事故のエピソードには、背中が冷えました。

2020/03/09

がらくたどん

かつて自分が分類整理してきた本が本一般ではなく「墨字の本」というホンの1ジャンルだったことがしっかり腑に落ちた時の驚きと喜びに似た体験。音声言語と並び立つ手話言語。言語は人が世界を切り取り理解し伝えるために獲得した物の見方の枠なので、ことばが好きな自分はどちらも同じに愛おしい。手指の運動神経がどうも人並みでない自分は点字の習得を目指したが通訳士志願だった同僚がたまに見せてくれた手話は豊かなニュアンスを内包して感じられた。記憶媒体が多様化した今だからこそ、手話を母語とする作家さんの紡ぐ物語を知りたい。

2021/09/27

たぁ

優しくて、愛に満ちて溢れていて読んでいて清清し気持ちになった。 異なり記念日という表題にあるとおり、 作者である齋藤陽道さんは、聴者の家族から生まれる。 奥さんのまなみさんは家族全員ろう者(耳が聴こえない)から生まれる。 そんな二人が出会い、結婚し子供が生まれる。 その子供の樹さんは耳が聴こえる。聴者であった。 そんな異なる三人の家族の物語はとても優しくて、幸せだと思った。 春の心地いい風がそよそよと感じられるような文章で作者の優しい人柄を肌で感じられるようでした。

2019/10/22

チェアー

耳が聞こえない、音がない世界はこんな感じなのか、と初めて知ることが多かった。音のない世界に生きてきたふたりが、音のある世界で生きる子どもを授かり、違う世界を築く。そのなかでの発見や感動がみずみずしく表現されている。異なり記念日の章はちょっと泣いてしまった。子どもは感動させようとも、なんとも考えていなくて、普通に生きているだけなのに、わたしからみたら感動の宝庫だ。人は異なっているからこそ生きていけるのだと強く感じた。

2019/03/23

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