病んだ家族、散乱した室内: 援助者にとっての不全感と困惑について (シリーズケアをひらく)
病んだ家族、散乱した室内: 援助者にとっての不全感と困惑について (シリーズケアをひらく) / 感想・レビュー
空猫
【ケアをひらく】 Dr.春日が精神保険福祉センター勤務時の体験談。子供の時、初めて友達の家に行った時にカルチャーショックを受けた事を思い出し、思春期の頃には自所と他所の違いを知ったな。「家庭、家族」は今や社会から切り離されても存在できる奇妙な空間となって。職業柄、著者は問題のある家と関わりを持つわけだが、うっすら共感できる所が怖い。「アットホームな職場」が気持ち悪いように。漫画『子供を殺してください…』を彷彿とさせた。「うつ病」は案外安易な病名か。後半は認知症の事案で勉強になった。このシリーズまだ行くよ。
2022/11/27
ばんだねいっぺい
とにかもかくにも、根元的な恐怖や不安に脅かされて、ぎりぎりのところで なのだから、斜めから近づいたり、優しく話したり、長く待ったりは、当たり前といえば、当たり前のことだ。優しさには意味があると思った。
2024/08/08
香菜子(かなこ・Kanako)
病んだ家族、散乱した室内―援助者にとっての不全感と困惑について。春日 武彦先生の著書。病んだ家族、散乱した室内と向き合うすべての援助者を社会全体でやさしくサポートする制度を確立しなくてはいけない。病んだ家族、散乱した室内と向き合うすべての援助者を社会全体でやさしくサポートする制度がないと、援助者の身体的負担と精神的負担が増えてしまうだけで、援助する側の人が簡単に援助してもらう側の人になってしまう。精神疾患の患者さんのケアを精神疾患の患者さんの家族だけに押し付けるようなことはあってはならない。
2022/08/15
introduction
「わたしは民宿が苦手である。嫌なのである。」という書き出しからも分かるように歯に衣着せぬ物言い。産婦人科医として勤務した後、障害児を産んだ母親のフォローをきっかけに精神科医になった著者は、訪問先の家で出されたらどんなに汚れた食器で出されてもお茶は飲む。患者を訪問し、室内に足を踏み入れる事は相手の心の中を訪ねることと同じ。その光景は人の心と同じようにグロテスクでありつつも「好奇心」を持っている著者は綺麗事は言わない。こういう人に援助されたら幸せ。良書。以下、心に残った言葉をコメントに覚書として引用。
2021/09/14
yuka
◆図書館本/再読する/現場のリアルがここにあります。/支援の場での行き詰まりを感じた時、一読おすすめです。支援のあり方のヒントがありそうです。
2020/11/09
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