希望の牧場 (いのちのえほん23)
希望の牧場 (いのちのえほん23) / 感想・レビュー
Aya Murakami
読メで知った本 牛もぶたもとりも犬もねこも…世話をしてくれる人間をなくした動物たちは死んでいった…。ああ…、14歳からの原発問題という本で政府や行政団体が住民をだまして動物を置き去りにしたとありましたね。 そして置き去りの後は殺処分という悲劇…。政府というものはつくづく生き物をカネか商品としてしか見ていないのがよくわかる。もういいだろう。 希望やあたりまえの日常は頑張って勝ち取っていくしかない。都会にくらすスーツ着た男どもにはわからぬことです。
2022/04/12
馨
原発事故のため人が帰ってこられなくなった牧場で、もう被爆して価値のない牛を育て続ける牛飼いさん。失われてしまった景色や牛、動物たちも沢山いた中、牛の殺処分をすることなく他の牛たちまで引き取って育てている牛飼いさんはまさに希望です。多くの人に知ってもらいたいと感じます。
2016/04/17
ケイ
色々と考えると答えは出ないけれど、今、ただ草喰って、糞をして、寝て、病気で倒れて死ぬまではただそうやって暮らしている牛たちがいることは、やはり希望だと思った。潰されない善意や思い遣りは存在するのだと思った。私は、震災のときにどこに寄付したらきちんと使ってもらえるかわからなくて、震災関連には寄付をしなかったんです。これからは、寄付をしようと思うときは、ここがあるなと思いました。
2016/07/26
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
「そりゃ放射能はこわいけど、しょうがない。だってオレ、牛飼いだからな」。原発の警戒区域内に取り残された牧場の物語。牛はエサ食って、クソたれるのが仕事。牛飼いは牛の世話が仕事。とても簡単な事が変わってしまった。目に見えない放射能があるってだけで、牧場も田んぼも海や川も……。故郷が消えた。いつしか『希望の牧場』と名付けられた牧場で働く牛飼いは問いかける。「オレたちに意味はあるのか」と。言葉が突き刺さる。同時に胸が熱くなる。心が震える。たとえそこに意味があってもなくても。森絵都さんの絵本。2014年9月初版。
2016/02/24
ちゃちゃ
私たち人間は知っている。放射能で汚染された土地に住むことの危険性を。けれど、置き去りにされた生き物たちは何も知らない。今まで信頼して育ててくれた人間が、突然悲しそうな目をして去って行くわけを。福島原発から半径20キロ圏内にあるその牧場主は、牛と共に生きる生業を捨てなかった。「オレ、牛飼いだからさ」自らの選択に意味があるのかはわからない。人間が狂わせた生き物の運命、その日常にただ寄り添うこと。決して美談では済まされない決断に、いつしか共感や支援の輪が広がっていった。命を守ることに“意味”なんていらないんだ。
2022/03/09
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