私の好きな孤独
私の好きな孤独 / 感想・レビュー
踊る猫
流石は詩人の書だけあって言語感覚の鋭敏さに舌を巻く。とはいえ、堅苦しい本ではなくこちらの疲れた心を慰撫してくれるゆとりを備えた本でもあると思った。アメリカ文化、特にジャズやロックといったポップカルチャーについて触れながらそこで生きる市井の人々の暮らしに寄り添い、その暮らしから詩を生み出し誠実に生きようとする著者の強い姿勢に打たれる。長田弘の詩は詩を理解できない私にも例外的に興味深く感じ取れるのだが、それは多分こうした詩人の誠実で丁寧な生き方がそのまま言葉となり、詩となって結実しているからだろう。とても深い
2022/08/07
かりんとー
(市立図書館)あらゆる薬を持つ女性の話「薬と自由」、ヴァイオリン弾きだった少女の話「静かに狂う」、屋上に住む少女の話「ある少女の話」が秀逸。あとボブ・ディラン。
2021/05/05
ロピケ
読んだ本、聞いた音楽、人、動物、旅行、味わった飲み物、食べ物についてなど綴った静謐なエッセイ。第三部が食い意地の張った私には、特に良かった。この本を読むと、本屋さんで本を買って、カフェでコーヒーを飲みながら、買ったばかりの本のページをめくるという事をやってみたくなる。伯父さんの格言「ひとは一人でコーヒー屋にいって一杯のコーヒーを飲む時間を一日にもたねばならない」が頭に残る。
2011/01/16
ganesha
詩人による日常のこと、旅先でのこと、音楽や作家などのエッセイ。84年出版の書籍にのちの連載を加え99年に出版されたもの。ヴァイオリンを弾かなくなった女性の話と古本屋についてが印象的だった。静かで整った文章をのんびり味わいつつ読了。
2023/10/07
鈴木律
思いがけず「ながくつ下のピッピ」と「風にのってきたメアリー・ポピンズ」が出てきて、懐かしさでいっぱいになりました。特にメアリー・ポピンズからの文章は、読んだだけで懐かしい風景が目の前にぶわっと広がった感じ。ああ、これは私の一部だ、子どもの頃に読んだ本が私を作ってるんだと、しみじみ感じられたのがうれしかった。
2014/06/04
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