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カント先生の散歩

カント先生の散歩

カント先生の散歩

作家
池内紀
出版社
潮出版社
発売日
2013-06-05
ISBN
9784267019463
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カント先生の散歩 / 感想・レビュー

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おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)

素晴らしい。 難しい哲学者カントが社交的なカント先生として眼前に現れた。 「自由な時間は規則正しい生活から生まれるのです」 我が身反省すること限りなし。 カントは原著だとベラボーに難しいけど中島義道の本なら時間はかかっても着実には読み進められるよ多分。オススムメ。

2017/12/12

kazuさん

カントの著作 "純粋理性批判" がジョゼフ・グリーンと言うイギリス人商人との密接な対話の中で生まれたと知り衝撃を覚えた。また、この友人の影響でカント自身も時間に厳格な生活を送り、更に、この友人による資産運用のおかげで、大学教員であるカントの資産が4万3千グルデン(概算129000000円)という高額に達したことは興味深い。カントの実生活やその時代背景を理解することは、難しい著作を理解する上で大きな助けになると思われる。

2022/07/31

serene

ドイツ文学者であり翻訳者である池内紀さんが、カントの人間的魅力に焦点をあてて書き記した伝記風エッセイ。 カントが生涯を捧げた仕事、その著作を、何度読もうとしても挫折していながら、こんな安易な形で接近を試みたことにうしろめたさを感じつつも、面白く読みました。 知の人であったからこそ晩年の思考の衰えた様子は痛ましく、切ない気持ちになりました。

2013/07/05

はなよ

ほぼ流し読みだけど読了。 ひっきりなしに転職するカントに、この時代で文学だけで生きる事の難しさが感じられる。 哲学者はだいたい規則正しい生活と散歩を日課にしているもんだけど、やはり「考えるための時間」が必要なのだろうか。 現代人が深く考えなくなったのも、考えごとに使う空白の時間が絶え間ない刺激に邪魔されてるからじゃないかと思う。

2017/08/18

しずかな午後

カントに対する「難解で頑固」というイメージを裏切られた。本書のカントは社交的でお喋り好きで、何だか軽やかだ。カントの思想面が知りたい場合、三大批判にほとんど言及しない本書は物足りないかもしれないが、カントの生涯をとても魅力的に見せてくれる。カントはフランス革命をはじめ激動の時代を生きた。アカデミックの悩みはいつも同じ。若い頃は金銭面で苦しみ、ポストを得てからは学内政治に頭を悩ます。そして、本書はカントの晩年について非常に細かく書いている。人類最高峰の知性が自身の老いにいかに苦しんだか。その最後は切ない。

2022/04/12

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