漫画のすごい思想
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漫画のすごい思想 / 感想・レビュー
gokuri
取り上げられている29人の漫画家のうち、きちんと読んだことがある作家が4人くらい、名前を知っている作家を含めても半部に満たなかった。記述されていることや比喩表現が独特で、四方田さんの本はやはり難解だと思いそれでも、作品や作家の分析を眺めるだけで、すこし理解できたようになっていく。漫画もすごいけで、こうした論評を繰り広げる著者もすごい。体力消耗した読書でした。
2018/06/02
田中峰和
1968年は川端康成が日本人初のノーベル文学賞を受賞した年であると同時に、後に600万部を発行する少年ジャンプ創刊の年でもあった。ここから漫画は子どもが夢中になる物語玩具であることをやめた。永井豪はジャンプの創刊号から「ハレンチ学園」を連載。連載中大きな社会問題となり、作者は地方の教育委員会からいっせいに非難された。近頃、江川達也の「ゆらぎ荘の幽奈さん」の性描写について、バカな弁護士が自分の子どもに見せられないと批判したが、ハレンチ学園のエロ描写に比べれば穏当すぎるくらい。低能の偽善者はいつの時代もいる。
2017/07/13
の
四方田犬彦が1968年以降の漫画と社会を語る本。学生運動が最も過激化した時代であり、漫画作品もその思想と密接に関係している。ガロとCOMがそれまでの慣習や世界の在り方に疑問を投げかける作品を連載し、全共闘時代の大学生に強く支持されていったのは、表現方法は違えども、青年たちの世界に対する不安心が起点となっている。経験が無ければエロさも恐怖心を生むグロテスクなものでしかなく、四方田はその表現を冷静に解説していく。最後が岡崎京子でバブル社会を取り扱った辺り、資本主義・物質文化は恐怖心を超えてしまったのだろうか。
2017/08/25
Yuki
いまいち。漫画原論の方が全然良い。
2020/03/11
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