対決! 日本史4 日露戦争篇 (潮新書)
対決! 日本史4 日露戦争篇 (潮新書) / 感想・レビュー
Isamash
阿部龍太郎と佐藤優による2023年発行の対談第4弾。日露戦争がテーマで相変わらずとても面白い。阿部の日本軍の武器(陸軍の命中精度が良い有坂銃、海軍の高温燃焼の下瀬火薬や作動性の良い伊集院信管)の説明が半端なく凄い。また戦術無く多大な死者を出した203高地での戦い方と裏腹に、明石元二郎等の情報活動(バルチック艦隊の動きを多方面の情報で把握)が結構なされていた事実も印象的。長期的に相当な利権得たのに、賠償金を取れなかったことへの憤りからの日比谷焼き討ち事件も、日本メディアの普遍的程度の低さを痛感させられる。
2024/04/22
gtn
対談者二人に共通するのは、戦争は絶対悪という民衆視座。国益本位の覇権主義、帝国主義により日露戦争に至った軌跡と本質を分析する。それが破滅への道であったことも指摘。御一新後、外圧等理由はあれど、日本が列強諸国と並ぼうと目論んだことが、そもそもの誤りであったと改めて気付く。その愚かさはさておき、当時、日本は、独自の技術により、世界最新鋭の武器を有しており、それが日露戦争の勝利の一因であったという解説が目新しい。
2024/08/08
オールド・ボリシェビク
戦国時代から日本史を語り尽くす対談シリーズの4作目。今回は日露戦争を巡る国内及び国際状況を振り返る。日露戦争で得た成功体験が、その後の日本の道を誤らせたことは何度でも強調しておくべきである。そして日露戦争は日本がようやく勝ちを拾った戦いであったことも。佐藤優が、ロシアのウクライナ侵攻とのアナロジーで日露戦争を概説するのも興味深いところである。
2023/04/12
桜
冒頭にあった佐藤氏のコメント、「安倍は小説、私はノンフィクションと異なる分野で活動している作家ではあるが、二人の出自はいわゆるエリート層でなく、民衆出身だ。日清戦争、日露戦争についての話し合いを深めるなかで、私は自らの民衆性を再認識した。戦争に巻き込まれることは民主を不幸にする。この基本認識だけは、絶対に揺るがせてはならない。」の部分が一番印象に残った。これでシリーズ4巻目。この後どうなるのだろう。遡って別の時代についての2人の語りも読みたい。
2023/03/26
れいまん
今回は、日露戦争と現在のウクライナ、ロシア戦争をアナロジカルに分析している。 驚くほどよく似ている状況に、現在が戦前になっているのだと感じます! 歴史をよく学ばないといけませんね!
2023/03/14
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