汐の声 (山岸凉子スペシャルセレクション)
汐の声 (山岸凉子スペシャルセレクション) / 感想・レビュー
阿部義彦
古本市で買いました。2010年潮出版社。山岸凉子スペシャルセレクション Ⅱ となってます。収録作は全6編で、汐の声、天鳥船、八百比丘尼、笛吹き童子、蛭子、鬼 です。汐の声のみ既読で残りは初めてです。ラストの鬼が話も長めで、捨てられた子供達の生き残る為のカニバリズムがエグいし、その怨念が時間を超えて現代にまで影響を及ぼす超自然現象を扱ってますが、登場人物との因果関係と上手く結びつけて、途中は滅茶苦茶怖いんですが、ラストでまあ、一皮剥けて日常に回帰する様子がホットさせられて物語を読んだ満足感が有りました。
2023/05/21
小夜風
【所蔵】再読。「汐の声しおのこえ」「天鳥船あめのとりふね」「八百比丘尼やおびくに」「笛吹き童子」「蛭子ひるこ」「鬼」収録。「汐の声」は怖過ぎる…一見何でもない見逃しそうなコマに少女の首があったり…何よりも舞あけみの顔は…夢でうなされること受け合い。「笛吹き童子」の一話目は山梨が舞台だよ~怖いよぅ。「蛭子」の不気味さといったら…。「鬼」も辛く悲しい話なんだけど、何度読んでも泣いてしまう。親を恨めと言われることで救われる人は、自分も含め、結構いるのではと思う。そして、人を許すことが自分も許されること…。
2013/11/21
直人
『汐の声』『天鳥船』『八百比丘尼』『笛吹き童子』『蛭子』『鬼』収録。 心霊系,サイコ系,SF系,伝奇系──相変わらずいろいろとジャンルは幅広く,共通しているのは”怖さ”あるいは”哀しさ”。 『汐の声』なんていうと山岸先生の作品の中では最も怖いものに入れてもいいんだろうが,この中での個人的な推しは『鬼』。 大学サークル『不思議圏』の連中が出会う,恐ろしくも哀しい物語が紡がれる。 涙なくして読めないホラーというのも珍しいとは思われる方もおられるかもしれんが,山岸先生作品の中では比較的あたりまえではある。
2018/10/08
pepin
「鬼」ラストに涙。いつの時代も子供が理不尽に苦しみながら死んでいくのは耐えられない。どうか地蔵菩薩さまのお導きによって、憎しみ、悲しみから解き放たれた世界へたどり着けますように。
2019/09/20
hoco
「汐の声」「八百比丘尼」「蛭子」が怖い。誰にでもあるちょっとした心の弱さにつけこんだ恐怖ゆえに「自分にも起こりうる」という感覚が恐怖に拍車をかけるのだろう。第一作に引き続き本作も、最後に配置された「鬼」が怖いながらも救いのある物語で、一冊通しての読後感は良い。最後に「蛭子」が配置されてたら…絶対いやです。
2019/10/20
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