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真夏の航海

真夏の航海

真夏の航海

作家
トルーマン・カポーティ
安西水丸
出版社
ランダムハウス講談社
発売日
2006-09-14
ISBN
9784270001424
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真夏の航海 / 感想・レビュー

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こばまり

初々しさとむら気。しかしそこには紛れもないカポーティ節の片鱗が。移ろいゆくものたちの一瞬の輝きを、蝶を捕らえるがごとくそっと差し出す作風がすでに現れています。本編のみならずこの幻の処女作が出版されるに至った経緯と、カポーティ最晩年の姿を記したあとがきにも歴史的価値を感じました。

2015/07/09

兎乃

監督デビュー作としてスカーレット・ヨハンソンが選んだカポーティの幻の処女作。1943年、カポーティが19歳のときに執筆したもの。何故「幻」なのかは本書巻末「失われた処女作の軌跡」に詳しく書かれている。少女グレディ、何かが過剰で何かが欠落、自意識と依存、ひと夏の疾走、ちゃんと哀しい結末。私は冬のNYしか知らないのだけど、充分に夏のNYを楽しんだ。『遠い声 遠い部屋』のタイトルも良いけど、Summer Crossing 真夏の航海 このタイトルも綺麗。夏休みの一冊にどうぞ、と思わず言ってしまう。

2012/07/18

inarix

避暑地へと旅立つ両親を見送り、ひとり真夏のニューヨークに残る少女・グレディ。社交界デビューを控えた令嬢を街にとどめたのは、駐車場で働く青年・クライドとの恋。神経質でいて大胆な性質をもち、人間関係に苦痛を感じる少女にとって、クライドは特別なはずだった。熱波に茹だるニューヨーク。無軌道に疾走する刹那の青春と終焉を描く、カポーティ19歳の処女作。 作品としては未完とのことだが、まさに映画のラストシーンのような終幕に、これはこれで完結と言われても納得してしまいそう。

2014/05/20

ミサ

グレディはヨーロッパに出かける両親と離れてニューヨークに残る17歳の女の子。彼女は男友だちと出かけても会話が上手く噛み合わない。スマートにいかない事に苛立つ感じも、しっくりくる居場所が見つからない感じも、ドロっと暗いのにスタイリッシュでよかった。表紙も素敵!

2018/11/11

メセニ

内容はともかくとして、物語結末の文章を帯に載せないでほしいの。とても印象的な数行なのだから。 それはさておき、カポーティの作品、未読のものがまだあるしいくつか手にとってみたくなった。

2015/06/24

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