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きみがぼくを見つけた日 下巻 (ランダムハウス講談社文庫)

きみがぼくを見つけた日 下巻 (ランダムハウス講談社文庫)

きみがぼくを見つけた日 下巻 (ランダムハウス講談社文庫)

作家
オードリー・ニッフェネガー
羽田詩津子
出版社
ランダムハウス講談社
発売日
2006-05-01
ISBN
9784270100400
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きみがぼくを見つけた日 下巻 (ランダムハウス講談社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

本書に特有の時間設定に慣れたせいか、上巻よりは受け入れやすいか。クレアはひたすらに「待つ女」である。6歳から82歳にいたるまで。こう書くと、なんだか謡曲の『砧』みたいだが、そうした「あはれ」はもちろんここにはない。そもそもがSF的な(あくまでも的なだ)発想で書かれているのだが、作者にはタイムパラドックスの観念もまた希薄なようだ。アメリカでは大好評のようであり、読書メーターの感想でも概ね共感の声が大きいのだが、私にはハーレクイン(読んだことはないのだが)にしか見えないのである。

2017/11/04

まふ

基本構造は上巻と同じだが、時間移動の頻度は激しくなり、戸惑いながらも夫婦は困難を乗り越え、ヘレンは5回流産の後諦め加減の時に娘アルバを授かる。時間移動という症状は専門医の診断で遺伝子異常であることが判明し、アルバもまたタイムトラヴェラーであることが判明する。だが、ヘンリーが時間移動の際に全裸状態になることが災いして危機が訪れる…。後半も途中まではややダラダラ感ありだったが、最後に来てこれが「時間移動」という手段を借りた愛情物語であったことが判明し、思わず涙ぐんでしまった。不覚。 G633/1000。

2024/10/20

あつひめ

過去だけでなく未来にもぶっ飛んだり、自分の子供とも言葉を交わしたり・・・時と言う障害が二人の未来へも影を落とす。自由自在に時空を移動できることの苦しみとかいっぱい抱えて生きている。自分の未来を知りつつ生きる不安がまた愛を深くさせるのか?映像でみるともっと深く作品の良さを感じられるのかな。かなり長い作品のように感じたけど、下巻はなかなか面白かった。やはり恋愛小説には障害が欠かせないのかもしれないな。

2012/09/16

ちえ

下巻に入り別れへの不安は高まり上巻の謎の答えが出てくる。見方によっては面白いだろう。アメリカでベストセラーになったそうだが、どうも深みを感じられなかった。結局私には合わない、そこだろう。未来と過去の行き来で二人の自分が一緒にいたり過去を変えるようなことをしていいか、これもずっと引っかかっている。ファンタジーと考えれば気にしなくてもいいのかもしれないが。それから気になるのは、6歳のクレアの前にヘンリーが初めて現れてからクレアは待ち続けている点。見方によってはヘンリーが待たせている ◆ガーディアン選書1000

2024/01/02

haruka

日常の中で突然タイムトラベルをしてしまう障害を抱えるヘンリーと、出会う前からすでに彼に恋していたクレアのSFラブストーリー。恋愛の会えない苦しさは遠距離や不倫によって描かれることが多いが、この物語のそれは「タイムトラベル障害」によって描かれており、その非現実感が面白い!小説のラストは映画のそれよりも衝撃的で重くて忘れがたいもの…。クレアの一生が切なすぎる。こんな障害に共感しようがないが、どうしても叶わず二度と会えなくなった恋愛に似ていて共感できるのかもしれない。

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