夢の途上 ラフカディオ・ハーンの生涯(アメリカ編)(ランダムハウス講談社文庫)
夢の途上 ラフカディオ・ハーンの生涯(アメリカ編)(ランダムハウス講談社文庫) / 感想・レビュー
ぺったらぺたら子
ひたすら面白いよ。ハーンの超過剰なマザコン的ロマンチストぶりに感動そして辟易。崇拝・崇拝ひたすら崇拝し、しかもただ崇拝するだけでなくベタベタに甘えて糸を引くハーンにつかず離れず距離を取りながらも決して見捨てない美しき才女エリザベス・ビスランドの愛と友情こそ感動ものである。遺児の面倒までみて、仏。ハーンの見た日本とは、現世に生きられぬ男が墜ちて見たお伽の国なのだなあ、と知った上で見なければならんのだろうけれど、だからこそ見えた日本のイノセンス、という側面をむしろ評価したい。駄目も高じれば妖精になるのである。
2016/11/19
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