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弱さの思想: たそがれを抱きしめる

弱さの思想: たそがれを抱きしめる

弱さの思想: たそがれを抱きしめる

作家
高橋源一郎
辻信一
出版社
大月書店
発売日
2014-02-20
ISBN
9784272430963
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弱さの思想: たそがれを抱きしめる / 感想・レビュー

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佐島楓

「社会的弱者」と私たちが呼ぶとき、それは記号であり、生身の肉体を伴っていない。この社会が不寛容さを深めていけばいくほど、「弱さ」の研究は意味を持っていく。

2018/11/18

ネギっ子gen

二人が明治大学教員だった時の「弱さの研究」が基。「弱さ」を中心に据えた町やコミュニティをフィールドワークし、考察を深めていくと、新しい共同体のあり方が浮かびあがる――。高橋「おわりに」<わたしたちは、「弱さ」について学び、調べながら、それが「3・11」以降、露わになった、この社会の構造的な欠陥とでもいうべきものへの重要な処方箋となりうるものであると感じるようになった。けれども、この「処方箋」は、「戦後」とか「近代」といった時代に対してのものではなく、もっとずっと長い射程を持ったもののような気がする>と。⇒

2021/09/10

けんとまん1007

「弱さ」と「強さ」という二元論で考えがちになるが、読みながら、そうではなくて、その中のグレーな部分こそが大切。いろんなキーワードがちりばめられている。曖昧さこそが重要で、それはいまのこの国を覆っている管理という二文字からは遠いところにあるのだろう。閉塞感を破るヒント。中で、富山型デイサービスも出てきたので納得。それから、最近読んだ本にでてきた谷川俊太郎さんの言葉ともだぶった。いろいろあるからいいのだということ。そして、それが変化していき、それに寄り添うのが丁度いいのだと思う。

2014/12/28

ゆう。

弱さ否定的にとられる。しかし、弱さを認めることは、社会の多様性に寛容であることにつながる。鶴見俊輔の「敗北力」を紹介しながら、弱さをポジティブに捉え直すことが述べられる。個人的には、あえてポジティブに捉え直すことはないと思ったが、弱さにつきて深く考えられた。

2020/08/31

Bartleby

「弱さ」をテーマにした文学者と文化人類学者の対談。老人たちがデモを続けている祝島や、子どものためのホスピス、精神病院が中心にある街など、二人がフィールドワークを行ってきた場所を紹介しつつそこで感じたことや考えたことについて語り合いながら、弱さのもつ積極的な意味が探られている。明確な答えがある訳じゃないけど、いくつもの示唆を与えてくれる。フィールドワークの経験を元に鶴見俊輔さんの「敗北力」という言葉を二人が各々の仕方で受け止めようとしているのも、鶴見さんの本が好きな自分としては興味深かったです。

2014/05/04

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