オウム事件はなぜ起きたか 上巻: 魂の虜囚 (新風舎文庫 え 114)
オウム事件はなぜ起きたか 上巻: 魂の虜囚 (新風舎文庫 え 114) / 感想・レビュー
かりん
4:《今なお得ることは多い。》ずっと書棚に眠っていた本。江川さんがオウム事件の裁判を傍聴し、週刊誌に発表した文章をまとめている。自身が狙われた事件や、坂本弁護士を紹介したという関わりもあるだろうが、思いを持って被告人の声を聴き、裁判を見つめ、被害者の思いを伝え、事件を再発防止に生かすべきと述べる。一時的に騒いですぐに興味関心を失ってしまう自身にも、その真摯さが刺さる。既に若い人たちは、この事件をリアルタイムで知らない。死刑も執行され、平成の終わりと共に幕引きされたようにも思えるが、今なお得ることは多い。S
2019/08/26
Ikuto Nagura
週刊読売と週刊文春に連載されていた江川女史のオウム裁判傍聴の記録。麻原やオウムを絶対悪として叩きに叩く内容は、彼女の役割や当時の空気から想定内。だけど、そんなオウムバッシングよりも、ところどころで彼女が指摘する、立法・行政・司法の社会制度上の不備や問題点と、私たちの社会が持つ問題点や負わねばならない責任についての方が、はるかに考察される必要があると思った。上巻では、坂本弁護士事件での遺族や著者や同僚の悲痛に対して、実行犯の岡崎一明の姿勢以上に、神奈川県警と検察の対応が…。下巻はいよいよ麻原へ。
2015/10/04
guanben
1995年夏から始まった一連のオウム裁判の傍聴録。惨すぎる話ばかりで、読むスピードが遅くなる。結局、麻原彰晃は何も語ることなく吊るされたので、究極のところ「オウムとは?」という謎は最後まで解き明かせず。今年3月20日で地下鉄サリン事件から27年。オウムの残党は生き残っている。公安の皆様、しっかり監視をお願いします。
2022/03/15
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