逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知
逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知 / 感想・レビュー
R
温故知新でもないけど、かつてもてはやされた経営手法や、トピックがその実どうであったか答え合わせと、結構な間違いがどうして起こったかを探ろうという本でした。説明されると、そりゃそうだと思ってしまうようなことばかりなのだけど、当事者となったら、その罠にはまっていると気づけないか、あるいは避けることができないかといった状態なんだろうと思わされる。手法を目的化せず、あくまで成そうとした大きな枠組みでその手法が役目を果たしたというロジックを見抜かないといけないというお話。50年間崩壊を続ける日本式経営に笑った。
2021/12/15
おつまみ
「逆・タイムマシン経営論」とは、過去に生起したファクトの背景や状況を「文脈」で理解し、導き出される本質を見抜く大局観を養う手法とのこと。過去の事実を徹底的に分析する手法はこれまでも何度も体系的にまとめられたが、それは著者が違っても変わらない。過去は色んなことを教えてくれるが、そこから如何に学べるかがポイントになってくる。経営論とはいえ、サラリーマンにとっても過去の事例から仕事の対局を判断するというやり方はすることが可能だ。
2021/04/11
d2bookdd
成功・失敗事例を学ぶ際には、社会的な背景、事業に至る歴史・環境も含めて、自分事として、事実関係を見る必要がある。各種事例で納得をした。自社の出版物からの事例引用なのは、他社の出版物引用では、問題になるからだろう。『今こそ平時期!』という言説は、確かに出会わない!人は、各種トラップに嵌まりやすい事を自覚しましょう。
2022/03/05
nbhd
楠木建さんの本を読むことで、僕の「資本主義観」は一変させられた気がする。根がサヨクなので、これまでは「資本主義は悪、金儲けはキモい」と偏りがちだったのだけど、楠木さんはシンプルに「賢く考え、真っ当に儲けて、みんなで幸せになりやしょう!」といったスタンス。とはいえ、世間には悪質な資本主義の魑魅魍魎が跋扈しているわけで、この本はそんな世渡りの優れた手引書だと思う。バズワード、マジックワードに振り回された経営黒歴史がひもとかれるうち、「賢く考えてまいりやしょう!」という真っ当なメッセージがズドンと伝わってきた。
2024/10/03
紫の木
楠木教授、今回も期待通りの面白さ。本質を見抜く思考方法として勉強になった。激動期をあおる、○○2.0や☓☓3.0と言った「テンゼロ論」には笑った。日本の人口問題には目から鱗。明治時代から80年代まではずっと人口増加が諸悪の根源(環境、食糧難、住宅難など)とされてきたが、今では少子化・人口減少が問題視。一体どっち?他にもセグウェイ、グーグルグラスにランドロイド、カーリー・フィオリーナに日本的経営。見事にトラップに嵌まっていた自分を再確認。新聞、ビジネス書、ネットの見方を変えてくれた。
2022/04/26
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