仕事をつくる 私の履歴書【改訂新版】
仕事をつくる 私の履歴書【改訂新版】 / 感想・レビュー
ちゃんみー
「住吉の長屋」は、私が子どもの頃に建てられたコンクリート打放しの部屋と部屋を行き来するのに雨の日は傘をささないといけないという変わった家です。衝撃を受けました。なんてものを設計するんだと。あれよあれやと言う間に有名になられた安藤忠雄さんですが、恵まれた人脈によって仕事を増やされていけたのには、やはり自身の挑戦する気概があってこそのものなんだろうと思います。老いを意識するようになった氏ですが、「理想を失った時に老いるのであって、年齢を重ねるだけで老いるわけではない」と言われていることが記憶に残りました。
2024/04/12
もちこ
安藤忠雄さんのことは、何やらかっこいいデザインの建物を設計している方ということしか知らなかったのだが、この本に書かれたエピソードは読み応えがあった。学歴もなく、独学で建築を学び、バブル期から現代までの日本の建築の第一線を駆け抜けてこられた熱意。そして街づくりや子どもたちへの支援活動など、長期的な目線で日本の再生を考える姿勢に感銘を受けた。 「今時の若者は軟弱だ」と切り捨てる物言いにはドキッとするが、安藤さんの人生を見ていくと、そう思われるのもごもっともという気がする。
2024/02/13
だ
先月大阪旅行をした際に、こども本の森を訪問して購入。安藤忠雄の出生から2022年までを辿る短編集的な本である。人との出会い、作品への想いが一人称で語られている。 いつもながら安藤忠雄のエネルギーの大きさには痺れさせられる。メッセージも明快だ。熱意を持て、自分の頭で考え抜け、現場に飛び込め。そうやって世界有数の建築家になった人が言うのだから重みが違う。 安藤は「建築とは、人間が集まって語り合う場をつくる行為に他ならない」と言う。槇文彦の「venustasはbeautyではなくてdelight」を思い出した。
2023/11/05
Naota_t
#2132/★3.7/安藤忠雄を知るには最適な本(事務所スタートが奈良・学園前駅のコンペと初めて知った)。安藤忠雄(82歳)は私が最も好きな建築家。大阪を愛する気持ち、一生青春と言うバイタリティあふれる挑戦・行動力から勇気をもらい共感する。経験から来る美学が形になったものが建築だ。図書館建築から分かるように、子供に野生と知性を身につけ、明るい未来を作る試みは、読書が好きな私は大賛成。建築が素晴らしい以上に、内面が魅力的なのだ。ーー集まりくる人々の心と心を繋ぎ、感動を刻み込むのが建築の真の価値なのだ。p60
2024/07/09
助作
私の履歴書とあるだけあって著者の半生を振り返ることができる。とにかくエネルギッシュ。小さな頃から今に至るまでずっとそう。そこが内外の有力者をはじめ様々な人を惹きつけてやまないところなのだろう。最近では「五臓なくとも人生は諦めない」なんて不穏なことを書かれているが一時でも長く元気に活躍されることを祈願して読了。
2022/11/28
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