女の子の謎を解く
女の子の謎を解く / 感想・レビュー
ミライ
小説や漫画、ドラマ、映画(+アイドル)で描かれる女性について語られた一冊。女性キャラクターのヒロイン像、少女漫画の作品論、アイドルなどの女性のテーマ論の、全三部で構成される。映画やドラマ、マンガのストーリーが社会情勢に沿って変化していく模様が語られていて面白い。ジブリ女性キャラや「大奥」などの若干昔のものから、宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」とか、乃木坂46、櫻坂46など最新の小説・アイドルも題材になっているので、世代問わず楽しめると思う。
2022/01/09
akihiko810/アカウント移行中
漫画や小説、映画における、時代とともに変わっていく「ヒロイン」像を追いかけた評論。印象度B+ フィクションの中の「女の子像」を読み解いていく本。「つづ井さん」「凪のお暇」からみる現代シスターフッド像(社会規範にあらがい戦うための連携)は的を得ていて、たぶんこれからのフィクションコンテンツを見る(あるいは作る)うえで重要な社会的ファクターになっていくことは間違いないだろう。あと、本作で再確認してのは、萩尾望都とよしながふみの天才さ。「トーマの心臓」「大奥」がいかに素晴らしく最先端の作品であるかわかった
2024/04/12
livre_film2020
勧められて読んだ。2日でスルッと読んでしまうくらい面白かった!本書で批評されている本の中で読んだことがないものもあり、ぜひ読んでみたくなった。批評を読みながら、普段自分が言語化できていないモヤモヤを言語化してくれる快感を感じた。「変わってる」と言われる私も、社会的イデオロギーに反抗するヒロインと同じ特質を持っているただの女ということが分かった。装丁的に女性受けしそうだが、男性にもぜひ読んでほしい。著者自身、男女で分けるのは古いかもしれないと断っているが、それでも語られる量を増やすためには必要だったと思う。
2023/01/25
ゆみのすけ
女性が主人公の小説・漫画・アニメ、アイドルから、時代とともに変わるヒロイン像、人をケアするヒロインについて、時代により女性に求められるものとは?などが紐解かれている。普段の読書は個々の作品だけを味わい、このように時代の流れとともに作品の変遷を考えたことがなかったので、新鮮だった。特にケアするヒロイン。『大奥』論。母娘と父息子についての章はなるほど〜と思いながら読んだ。他の人の読み方を知ることで新たな発見、自分では思いもつかない考え方に繋がり、それが新鮮で楽しかった。
2024/09/16
原玉幸子
著者が例に挙げた本や漫画や映画は全くと言っていい程知りませんでしたが、「AKBを初め大勢の女の子が歌って踊るアイドルグループが何なのか」を社会学的に読み解くのには興味があるので、つい。実は、ビジュアル言語を押し出す体裁は余り好きではないのですが、中味は上野千鶴子の一連の著述や江藤淳『成熟と喪失』他、社会学的考察も結構網羅していて、なかなか侮れない本でした。でも、ふむふむと感心するのではなく、著者のエッセイっぽい?論説の、例えばAKBやシスターフッド等には反論したくなります。(◎2023年・秋)
2023/08/21
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