江戸役者異聞
江戸役者異聞 / 感想・レビュー
メタボン
☆☆☆☆ 両手両足を脱疽で失った実在の歌舞伎役者沢村田之助をモデルとした小説。役者としての孤独、達観、自負、様々な感情が淡々と描かれている。一夜の契りで出来た子供を連れた押しかけ女房の加茂路との家族らしくない生活、そして加茂路から見下され出ていかれるくだりには、痛切な諧謔性も見える。題材も、それを淡々と描いていく筆さばきも良いだけに、作品を出さなくなってしまったのが惜しまれる作家だ。
2022/02/02
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