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マイ・バック・ページ: ある60年代の物語 / 感想・レビュー
いのふみ
『週刊朝日』のカバーガール保倉幸恵(「きちんと泣ける男の人が好き」の言葉が印象的)、外国人ジャーナリスト、新左翼の過激派……。歴史に埋没しそうな人物たちが確かな生気と存在感をもって語られる。単なるノスタルジーに堕さず説得力があるのは、ジャーナリスト(取材する側の人間)であることに羞恥心と覚悟を持っているからこそだ。
2022/02/07
champclair´69
"ある60年代の物語"。著者が巻きこまれた体験も壮絶であるが、少女モデル保倉幸恵との心の交流譚も淡いロマンを感じたし、政治事件でのジャーナリストという立場の難しさ、戦場へ赴く義務のない安全な立場からのベトナム反戦運動という観点も身につまされた。2011年に映画化された時はすぐに映画館に足を運んだ。
2023/08/23
鈴木 一敏
ジャズ歌手の安田南をネットで調べていて、この本の中に記載があることを知り再読。持っていた本が1988年の初版なので、それから30年ぶりの再読なのかな? 前半は60年代後期の音楽、映画、学生運動と僕が憧れた時代の話。後半が川本三郎が巻き込まれた?朝霧事件の話。 後書きを読むと、SWITCH誌で連載の途中までは60年代末の音楽、映画を書いていたが、途中から朝霧事件の話を書かないといけない、書く必要性があった事を理解。 何故か2011年に映画化された事を、私は今になって知る。
2020/11/10
じろぽん
★★★☆☆ 妻夫木&松山ケンイチで映画化!に、つられて読んでみました。 60年代、政治活動をする若者が熱く描かれていて、川本氏のジャーナリストとしての葛藤も伝わってくる一冊です。
2011/03/24
sayako_kyoto
就職浪人までして入った新聞社を自分のミス(信念でもあったのだが)で追われた痛恨の過去を振り返る本書。冷静に書きながらも、筆者の揺れる心が伝わってくる。東大法学部を出ていても、やはり若くて未熟で、迷いながら突っ走った、一記者の青春だなあと思った。
2010/12/04
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