惑星の午後に吹く風
惑星の午後に吹く風 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
21世紀に生まれた女性アマリアは冷凍され、遥かな未来に甦る。そこは科学が発達し、人間の生活圏が宇宙にまで広がり、人々が極度に理性的に生きる世界。その中でアマリアは人間味あふれる存在として注目を浴びる。だが彼女は言う。「子供の頃、『私の心は虹を見ると踊る』という行のある詩を読んだことがあります。私の時代になる前にも、既に虹を見ても何の感動もしない人間がほとんどだったからこの言葉は書かれたのです。」
1990/03/19
なが
「われわれの時代よりもはるかに豊かな、あるいは極限的に豊かな苦悩を苦しむ」 自分にはあとがきのこの一文を引用するしかない。ただのSFではない。ただの恋愛でもない。 あと、自然に関する描写には、やはり作者様の愛情が感じられる。 そして自分、藤子・F・不二雄先生の「老年期の終わり」を思い出さずにはいられなかった。主人公の立ち位置が異なるだけで、ほぼ同じテーマ。どちらも深く心に残る。
2014/06/05
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