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テレヴィジョン・シティ 下

テレヴィジョン・シティ 下

テレヴィジョン・シティ 下

作家
長野まゆみ
出版社
河出書房新社
発売日
1992-10-01
ISBN
9784309007915
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テレヴィジョン・シティ 下 / 感想・レビュー

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優希

色々な意味で切なかったです。消滅から再生へと向かう混沌の中、まだ見ぬ碧い惑星の存在を信じ続けるアナナスとイーイー。現実とテレヴィジョンの幻想の中でアナナスの記憶が自由な方へ解放されていくようでした。アナナスの記憶の扉が開かれたとき、イーイーのつづってきた手紙はどうなるのか気になって仕方ありませんでした。何もかも忘れてしまったアナナス。その側にいるイーイーが辛かったです。ひたすら悲しみが漂っているように感じました。何かが落ちたような空洞ができたようです。

2016/02/23

マッピー

文体に慣れたせいか、上巻よりはスムーズに読むことができた。バッドエンドのディストピア小説であることもわかった。そのうえで、読むのしんど!慣れたとはいえ、好きじゃないんです、こういう勿体つけた書き方。みんな、アナナスに説明をしない。説明を求めると「今は言えない」とか言って、結局最後まで言わない。終焉が迫っているのが分かっている時に、それってどうなの?最終的には閉じた環というよりも、下降する螺旋を想起しました。だって、彼らの世界って、生産がなくて消費からの廃棄ばかりじゃない。明るい未来を思い描きようがない。

2024/11/05

まゆら

再読。携帯とノート片手に暗号解読と用語検索をやりながら進める事一週間でやっと読了。初読の時には解らなかったことも少しずつ理解できて、花言葉に一々感動したり(笑)色んな深読みをしたりして楽しく読みました。しかし決定的な確信を得られず、すこしモヤモヤ。でも楽しいからまた再読するんだろうと思います。あと文中の〈canaria Islands〉は大瀧詠一の歌、カナリア諸島にてと関係あるのかな??すごく類似点が多いので流しながら読むと雰囲気出て良かった。

2012/10/14

mimm

文庫版を何度も読んでいたので、一応再読?何となーく意味は摑みかけてきたけど、つまるところはまだよく分からない…(ハッピーかバッドか、そんな終わりの心理すら)でも切ないシーンが多くて、途中何度も泣きそうになりました。特に別れのシーンは、何度読んでももうもう。アーティのラストが意外にびっくりです。怖っ。

2012/07/10

ML-0021234-Eheh

下巻ではアナナスとイーイーの距離が縮まる、というより深まる感じがした。切ない感覚に胸が締め付けられ、漠然と何かを考えさせられる。私的な解釈だけど、これは《新世界》と機能的な部分の他にも繋がるものがあるように感じた。解釈は読んだ人それぞれだと思う。そこもまた魅力の一部になっていると思う。

2009/07/01

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