アルファベットの傷口
アルファベットの傷口 / 感想・レビュー
パチーノ
『ブックTHE文藝』1に掲載。読みにくさを感じながら進めていくとすぐに文体に慣れることが出来た。翻訳文の羅列、翻訳者見習いの私。これは作者自身のことを著したものであろうか。一体カナリア諸島での出来事は何だったのだろうか。
2016/03/04
amanon
比較的初期の作品のためか、習作という印象が拭えない。不慣れな海外での体験という著者のおハコともいうべきモチーフではあるが、後年の著者ならではの味わいには程遠い。作中に頻出する主人公が携わる翻訳からの引用もどこか上っ滑り。まあ、これはこちらの読み方にも問題があるのかもしれないが。ただ、夥しい程出てくる「サボテン」という言葉が象徴するように、南国特有の乾いた空気感と、慣れないその空気に翻弄される主人公の描写が鮮烈で印象的ではあった。翻訳の引用と地の文との関係を丹念に読み込めば、また違った印象を受けるのか?
2016/04/28
ティーティーウー
ポカーンとしながら、読んでました…。なんだろう、これは。とにかく南国のむせ返るような熱気に引き込まれ、読み進めました。細切れになった物語が、詩のようだった。
2015/08/17
imo
翻訳文が面白かった記憶が。
2012/12/05
mojikatzchen
翻訳部分の切れ切れの言葉と本文の句点がない切れない文章…。どちらも読んでいて核を掴めないまま不安にかられていく…。断片だけで意味が特にないような構成が、翻訳を通す文章、言葉とは本来何なのだろうか…という、ある面で不安な状況を醸し出しているのが、やはり多和田さんは凄いなぁ~と思う。やはり「溝の人」である。
2012/03/10
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