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親指Pの修業時代 上

親指Pの修業時代 上

親指Pの修業時代 上

作家
松浦理英子
出版社
河出書房新社
発売日
1993-11-01
ISBN
9784309008677
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親指Pの修業時代 上 / 感想・レビュー

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yumiha

20年ほど前に騒がれた本だが、女性の足の指に男性器!?というこれ見よがしな設定が気に入らず読まなかった。でも、たまたま読んだ『最愛の子ども』が、しっかりした作品だったので、同じ作者の本書も読んでみようと思い直す。本書も読者の劣情を刺激するのでもなく、媚びるのでもないところに好感を持った。むしろ異常な事態に陥ったがゆえに、主人公一実も、その周囲の人々も問われる。〈フラワー・ショー〉一座に加わってからは、余計に思い上がった偏見が見えてくる。見た目に左右されずに人間そのものを見てゆくことを言われている気がする。

2017/08/08

koguma

初読み作家さん。親友が自殺した翌日、突如足の親指の異変に気づく一実。なんと親指は、ペニスそっくりになってしまい、その日から彼女の生活は一転する。無理解な恋人との別れや、それに代わる新しい出会い...文章は読みやすいとは思うが、想像してたようなおふざけ感は全くなく、いたって真面目なお話といった雰囲気。それに、全然いやらしくない(笑) まあとりあえず、下巻いってみよ。

2016/06/18

そうたそ

★★★★☆ 物語は、ある女性の右足の親指が男性器になったという驚愕の事実から始まる。なかなか荒唐無稽な設定なのだが、それを松浦理英子さんは、まとまりのあるストーリーとして巧みに展開させている。いつもの松浦さんの作品と同様に、今作でも根底にあるものは「性愛」。更に言うならば、「同性愛」である。内容はというと、小難しい純文学的なものではなく、エンタメといってしまっても過言ではない程の読みやすい軽い内容だと思った。特に「フラワーショウ」の面々に出逢ってからは、些かファンタジックな展開すら伺えた。良作である。

2013/03/28

おでんのたまご

ある日突然、右足の親指が『P』になってしまったことで主人公の人生は大きく変わっていく(変わりすぎ!)冒頭の友人の死や会社はまた関わってくるのだろうか。下巻が気になる。

2024/01/23

roku7777

足の親指が男性器になってしまった女性の編年記。うん、この本を書かれた90年代的を感じさせる本で今読むと「古さ」が鼻につく。当時はアバンギャルドだったのかもしれないけど今は「そんなことは別に気にする必要もない」という時代だからだろう。個人的には畑中純の漫画を読んでいる気になってしまった。アバンギャルドすら普通(普通以下)になってしまう時代の流れを見ると純粋に「小説とは」と考える必要がないのではないかともふと思う。まあまだ上巻だから下巻に行こう。古くはあるが嫌いではない。郷愁も込みでだ。

2021/07/05

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