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母の発達

母の発達

母の発達

作家
笙野頼子
出版社
河出書房新社
発売日
1996-03-01
ISBN
9784309010496
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母の発達 / 感想・レビュー

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いちろく

紹介していただいた本。物語の始まり、「母が縮んで見えるという視界の異変に~」だけで、この物語のぶっ飛び具合が伝わると思う。母と娘、上手くいっている家庭もあれば、そうでない家庭もあるはず。この本に描かれている、母と娘の関係も、また一つの形なのでしょう。それが、普通であるのかオカシイのかは、他の人が見た感覚。私は、読者の視線でこの物語の母と娘を眺めるのみ。

2017/05/11

みや

再読。二度目でも最高に面白かったし、本当に訳が分からない。何が現実で何が妄想か。「狂気」を描く傑作の多くは「正常」と「異常」の塩梅が絶妙なのだが、この小説はただひたすら休む間もなく「異常」な世界が続く。とにかく狂っている。終始コミカルなノリに笑い、突拍子の無い発想を楽しむ一方で、原点となる母娘問題の数々は痛いほどに現実的。娘を支配する、母に依存する、社会から隔絶される。そんな母娘は決して少なくなく、「母」という言葉に縛られ続ける母も娘も不憫で仕方なかった。五十音の母の中では「う」のおかあさんが特に好き。

2021/03/13

keroppi

爆笑おかあさんホラーと紹介文にあったので、どんなもんかいと思って読んだのだが、なかなかのぶっ飛びぶり。ただ、母と娘は、難しい。愛と憎しみ。村田沙耶香さんの小説の母娘関係も凄かったが、こちらも違う意味で凄い。

2016/10/30

踊る猫

奇妙奇天烈な話だ。スジだけを要約すると殺したはずの母が生きていてあり得ない物体に変身していて……とまあ、三流ホラーも良いところなのだけれど小説は「スジ」ではない。この本が唯一無二である所以はその文章のグルーヴにある。読んでいて実に気持ちが良い。ワケは分からないけれどノリでグイグイ読ませる。町田康氏を想起させるところもあり、笙野頼子氏は耳が良いんだろうなあ……と思わせられた。「父殺し」ならぬ「母殺し」文学……という側面からの分析はもちろん出来ないので、間抜けな私のような読者としては唖然とするしかないのだった

2016/04/26

メルキド出版

「母の大回転音頭」

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