大つごもり 他 (現代語訳樋口一葉)
大つごもり 他 (現代語訳樋口一葉) / 感想・レビュー
みつき
島田雅彦氏による「大つごもり」「われから」の現代語訳。生きる痛みを抱える女性が強くあろうとすればするほど、脆く崩れてしまいそうになる心。その心の動きに共感せずにはいられない魅力のある二作品。息ができないほどの閉塞感からふと手を差し伸べてくれる男性のさりげないしぐさが色っぽい。島田氏の訳に関しては、女性の不自然な言葉遣いや変わった現代語がでてきたかと思えばいきなり一葉の作風をならうように句読点が使われていたので、最初は違和感がありましたが、慣れれば少し違った色として楽しむ事ができました。
2013/07/22
チェ・ブンブン
かなりライトになったとは言え、一文数ページとは読みにくくて辛い。しかし、だいぶ樋口の自虐文に慣れて来たぞ。
2013/06/21
mawaji
表題作がパナソニックメロディアスライブラリーで取り上げられていたのを聴いて青空文庫で読み始めたところ殆ど読みこなせなかったので、とりあえず現代語訳ということで手に取りました。意訳とか超訳というものではなくてほぼ原書(?)どおりの逐語訳で句読点の位置も一致しているようで、それが一葉の書いた文章の雰囲気を残しているように思いました。「大つごもり」ではダメ男石之助のおかげで窮地を脱したお峰でしたが、「われから」では孤独な美尾と町子の悲しい物語でした。何とか一葉本人の文章でしっかり味わえるようになりたいものです。
2017/12/31
あーちゃん♪
本の薄さと表紙の美しさと、読みやすそうな現代語訳にひかれてN中で。実は大きな勘違いをして、与謝野晶子と間違えてかりた。なんだか心暖まる表題作。ちょっと覚えがあるけど、昔要約を読んだかな?この後が気になる。
2018/08/28
マカロニ マカロン
個人の感想です:B+。島田雅彦氏が現代語訳した『大つごもり』と『われから』。岩波文庫で樋口一葉を読んだが、句点で改行もない長文が続き読みにくいことこの上ない。音読を三回ほど繰り返していくと時間はかかるが大体意味がつかめてくる。しかしながら古い言葉も多くピンとこない部分は残る。そこで改めて現代語訳を読むと、話がストンと心に響いてきた。明治時代の日本語は私にとっては一種の外国語的に感じるので、こういった翻訳本は本当にありがたい。島田氏の作品はまだ読んだことがないが、読んでみたくなる表現も多かった。
2016/03/03
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