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水迷宮―瀧の巻

水迷宮―瀧の巻

水迷宮―瀧の巻

作家
長野まゆみ
出版社
河出書房新社
発売日
1997-07-01
ISBN
9784309011585
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ジャンル

水迷宮―瀧の巻 / 感想・レビュー

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優希

残酷な美しさが広がります。美しい少年ほど不幸に貶められるのでしょうか。ただ、醜さも美しさも盲目の前では、無関係に受け入れられたからこそ、呪いはそこで止まったと思いたいものです。見えるからこそ美醜に左右されるのではないかと。性的な香りも漂いますが、それすら美しい世界へと昇華されていて、最後まで酔わされました。

2017/10/29

小夜風

【所蔵】再読。最初は千潮姫が可哀想だと思ったのですが、ここまで来るとある意味確信犯だろうと……。趣味「呪い」特技「祟り」みたいな(笑)。始めこそ面白がっていたように見える千潮姫も、自らの呪いの中に絡め取られて、もがいていたのかな。何も知らないままに起こった災いを己の過ちとして全てを受け入れていくしかなかった彼等がとても哀しく、そして美しかったです。

2016/07/03

冬見

後半に行けば行くほど長野まゆみワールドが加速する。巡り巡って輪になったような、そんなラストシーンだった。理不尽で美しく、残酷で、淫靡で清らかな。『雪花草子』『新世界』が好きな人には特に刺さるだろう。かく言う私も参ってしまった。翻弄される美しい少年たちは物語の贄。永きに渡る因果の輪はここで閉じたか。水底の冷たさを孕んだ耽美な伝奇物語だった。

2019/06/29

なつ

タブーが重なって人物相関図がより複雑に。少年への理不尽な出来事に目が行くけれど、官能的な描写も多い。さらにそれもきらきらした言葉遣いのため、引き込まれます。千潮姫の造りあげた呪縛に惑わされる人々、まさに水の迷宮ですね。残酷さや淫靡さが美しく残る、壮大で妖しい伝奇物語でした。

2018/06/21

紫陽花

前巻に引き続き、言葉の美しさに酔い断ち切れない因縁に恐怖を覚えつつ読了。情事のシーンがわりと多めだけど描写がなまめかしくて綺麗でくせになる。好き。時代設定が平安~鎌倉あたり?なのもあって情事のもつ影響が大きいなあと。乳王丸が今後幸せに生きていけることを祈ります。

2014/04/29

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