眠れぬ森の美女たち
眠れぬ森の美女たち / 感想・レビュー
ヴェネツィア
童話の構造を借りた、11の章からなる連作短篇小説。著者は精神科医の香山リカさんで、主人公もまた本人を想起させるようなもの。もっとも、これが書かれたのは随分前で、当時は香山さんも37歳。しかし、これくらいの時から自身を含む女性たちの老後を構想していたようだ。「空(そら)の家」がそれなのだが、なんだか「空(から)の家」になりそうな予感も漂う。競争社会を勝ち抜いた女性たちは、さらなる競争に曝され続けるようで、とかくこの世は生きにくいのだろう。そんな彼女たちを迎え入れる桃源郷は、はたしてあるのだろうか。
2018/01/17
あつひめ
老後かぁ。もしもこんなシェアハウスがあるとしたら…もう男でも女でもない、愛だの恋だのに振り回されない年齢になったら、心の友のような人と静かに余生を送ってもいいような気がした。しかし…このストーリーに出てくる彼女らはまだまだ活きのいい生身の女だから…この家で尼さんのような静かな暮らしは似合わない。人っていく通りものタイプがある。マイナスも出来事として積み重ねられる人と、自分が傷だと思うことは抹消したくなるタイプ。思い残すことがないくらい日々を大事に過ごせば、寂しい人生はないような気もするけどな。
2013/10/20
re;
自由でありたい事に縛られている不自由。自立したいと思っているけど何かに依存せずにはいられない弱さ。マイノリティである自分に酔っているような。世間の価値観糞くらえ。と嘯いている割に世間の価値観に引きずられているような。とにかく大人の女性になりたくて、なってるつもりで、その本質は成長しきれずに歪になった未熟な女の子。そんな女性達の仲良しごっこの話?精神科医の看板を掲げて書かれた作品にしてはあまりにお粗末で何の為に書かれたのかよくわからない本でした。
2017/10/13
スノーシェルター
私にとっては非現実的な話だった。それぞれ抱えるものはあるけれど、愛するひとと共に暮らせることは幸せじゃないの?無い物ねだりじゃないの?でもそんなの死ぬ瞬間までわからない...に、ちょっと納得。
2012/10/16
空飛び猫
女だけの終の棲家を求める彼女たち。 様々な葛藤と、抜け出しきれない女の性。
2014/05/26
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