みだれ髪: チョコレート語訳
みだれ髪: チョコレート語訳 / 感想・レビュー
seri
逆巻く水の流れのような独特のリズムの原文。その流れの余韻を残しながらも飲み水にすること。喉は通るけど、渦巻く勢いや流れがあったことが伝わるような。きっとそれが古典の翻訳。そう思ってしまうくらいには、難解さが伝わってくる。恋しい相手を夜の神さまと詠う、激情と呼ぶに相応しい晶子の情熱。全てが上手く訳せているとは言えない。勢いを殺してしまってるものもあるのは確か。でも原文にそっと寄り添う様に理解への梯子となったり、流れを組んで新しい流れを作ってるものも。翻訳短歌に興味があって読んだけど、形も様々、深い世界。
2014/07/02
まーしゃ
与謝野晶子の半生や逸話は色々と耳にしてましたが、恥ずかしながら作品を読んだ事はありませんでした。朝ドラのわろてんかで藤吉の元許婚の楓が読んでて気になって…読友さんが読みたいにしてた俵万智訳の作品があると知って読んでみた。与謝野晶子作品を自分で読んでも理解や想像出来なかったであろう部分を俵万智さん流に訳してあって読みやすかった。訳っと言うより俵万智さんの観点で現代風にアレンジした翻訳です。女性ってそこなんだぁ〜って感心した。艶ぽっい気分になれます。
2018/05/19
syota
今となっては理解困難な歌が多い「みだれ髪」が、俵さん流の現代語に「翻訳」されている。本歌と翻訳が並んでいるので、格調高く大胆で歯切れのよい与謝野、隣のお姉さん的な親しみやすさと柔らかさの俵と、二人の持ち味の違いがよく分かって楽しい。中には、与謝野の凄さを再認識させられる結果となった歌もあるが、一方でツボにはまったときは目の覚めるような名訳が。概ね、逐語訳的なものより大胆に意訳したものの方が成功しているようだ。一握りの著名な歌以外は忘れられかけていた「みだれ髪」を、現代に蘇らせた功績は大きいと思う。
2016/08/29
Y
与謝野晶子の短歌は名歌集などで見かけるたびに短歌初心者にとっても意味が明快で好きだと思っていた。今回はじめて詩集でまるごと読んだら印象が変わった。とても難解だった。難解とはいえ、チョコレート語訳のおかけで与謝野晶子の歌の持つ匂いは感じられたと思う。自分の身体のことをどうしようもないほどに男性を蕩けさせる色っぽい身体としてここまでかというくらい客体化しているのが面白い。とにかく大胆で恋愛をしている自分に陶酔していて、こんなに自信に漲った女性に迫られたら陥落しない男性はいないかもしれないなと思った。
2020/02/09
風里
確かに訳がないとわかりづらい。 勉強ではないので、雰囲気を掴むだけでも十分なのだと思う。 恋する乙女はいつの時代も変わらない。
2013/05/19
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