理想の人生
理想の人生 / 感想・レビュー
chimako
あとがきにあった「もう二度と会えない人たち」との思い出を綴った短編集。早逝したお父さんのこと、最期まで自由だったお母さんのこと、初恋の人、友だち。亡くなった人たちとの日々がすぐそこにあるように描かれる。著者の思い出話を聴いているような読み心地。お父さんとお母さんの話が好きだった。小説なのだから全てが真実ではないだろうが、特別なことが起こるわけでもなく、人が生きて死んでいくことが、川の流れのように自然だと感じられる。面白い小説ではないが、こんな文学もあるのだなと思う。若かったら最後までは読まなかったな。
2020/05/19
感想・レビューをもっと見る