なんとなくクリスタル
なんとなくクリスタル / 感想・レビュー
桑畑みの吉
新装版文庫で読みたかったが、図書館に蔵書が無く、1981年1月初版の単行本の方を借りることに。定価は880円(消費税自体なし)だった。当時100万部売上げた大ベストセラーでもある。ブランド名を羅列しただけの空虚な小説と批判されていたが、物欲・食欲・性欲にまみれているが、同時にどこか無機質な生き方は本書に始まったかもしれない。古書特有の匂いを嗅ぎながら、1980年という時代を少し思い出した気がする。「2025年に人口の増減がストップする」という巻末の唐突な未来予測が印象的だった。【33年後の続編に続く】
2023/06/21
原玉幸子
現在33年後の本が出ていますが、元々は本格バブル突入前(実際のバブル?)の1980年出版のベストセラー。当時読んでも意味を為さなかったであろうし、今読んでも何とも言えずでした。著者が主人公を介し「私ら馬鹿じゃないもんねぇ」と言っていますが、読む受け手としては「でも馬鹿じゃん」との気持ちになります。文庫では「マルクスが資本論の次に書くのはこのような本であったはず」との解説でしたが、本当かと。(●2015年・秋)
2019/12/27
元吉
★★★★☆ 33年後を読んで改めて手にする....当時は本屋でパラパラめくって、ふーんで終わった。今読んでも中身は薄いが、あの時代に同世代で東京にいた人間として共感する。 確かにグルーミーな気分の雨の朝、電話をかけまくらなくても、スマホで話し相手くらい見つかる。デートするにもゴルフでドリームランドに行かなくてもTDLがある。 この35年で随分と便利になったこともあるが、モデルのバイトで月40万稼ぐとか、そういう感覚はないだろう。コンビニでバイトして月収8万とか。
2015/11/15
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