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須賀敦子のトリエステと記憶の町

須賀敦子のトリエステと記憶の町

須賀敦子のトリエステと記憶の町

作家
岡本太郎
出版社
河出書房新社
発売日
2002-07-01
ISBN
9784309014814
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須賀敦子のトリエステと記憶の町 / 感想・レビュー

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るんるん

須賀さんの記憶を紐解いていく岡本太郎さんの旅。現実の町をうつした写真のなかにサーバやペッピーノの詩がきこえてくる。「コルシア書店の仲間たち」のその後の暮らしはあたたかく、リッカ家の笑顔やカミッロのたたずまいに須賀さんの人柄も重なってくる。フェレットが家にいる暮らしが可愛く、田舎まちの家々のまちなみの色合いがやさしい。ダヴィデ神父が生まれたまちも興味深い。空、大地、自然とともに生きてきた人々の晴れやかな命。世界に意味を与えたものへの信仰へとつながる彼の魂。その魂ふれることができる表現者の文も味わいがあった。

2015/02/15

泉を乱す

人の暖かさと、山の涼しさと、色とりどりの木々と。須賀敦子の足跡を辿る旅。須賀も然り、この本の著者の流れるような静かな、だけど鋭い描写にも心酔。(途中、女性への描写が「可愛い」ばかりだなと一瞬気になったが私の気にしすぎかも🙄)

2022/04/10

micamidica

岡本太郎氏が須賀敦子にゆかりのある土地を訪れ、記録した本。アッシジ編が良かったのでこちらも読むことに。トリエステをメインに、ウーディネ、アクィレイア、はては義弟夫婦が居を構えたトレントの山村、フォルガリアやカミッロ神父のいるティラーノまで。トリエステのイメージを膨らませたいと思っていたけどどうにも掴みきれないなと思っていたら最後に「そうしたすべてが少しずつ微妙にずれながら折り重なった街について語るのは、無謀に思える。(中略)雲をつかむような話ではある」とあった。一度訪れてみなくてはな。グラードも魅力的。

2019/11/19

ik

須賀敦子の足跡をたどるためのガイドとしては大変面白いと思うが、彼が自身の感覚として何を得たのかということももう少し知りたいなと思った

2014/09/25

m

今同時に湯川豊の『須賀敦子を読む』を読んでいるために、やや不足を感じた。須賀の文章力に比較するとやはり著者のそれは劣っていると言わざるをえない。個人的な感覚かもしれないが、須賀の文章を読むと自然にあの長い息遣いの文章が情景とともに自分の中に入ってくるのだが、本書は少しその意味で読みにくい。そのような比較をするのは本来不要のことなのだが、本文が旅の記録という形をとっているゆえ自然とそうなってしまう。 とはいえ写真は具体的なイメージを与えてくれるので、一度目を通すという点ではいいかもしれない。

2016/12/04

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