凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ
凶鳥の黒影 中井英夫へ捧げるオマージュ / 感想・レビュー
那由多
あまりにも豪華な作家陣が中井英夫に捧げるオマージュ。ずっと前に『虚無への供物』を眠い目を擦りながら読んだっきり。それでも各作家に中井英夫がもたらした、陶酔の一部を分けてもらった気分だ。
2021/01/12
藤月はな(灯れ松明の火)
とらんぷ譚シリーズ、「虚無への供物」に登場するキーワードや登場人物、名台詞などの登場にニヤリとすること、間違いなしのオマージュ作品集。中井英夫氏と本を介して、人を介して、または直接、出会った人々が紡ぎ出す隠微と物語の虚無と天帝の捧げ物としての誇り、現実の反転性が読者を捕えて離さない。中井英夫氏の年譜や作品の一つである「黄泉戸喫」、表紙には中井英夫作品を彩った建石修志の装画と豪華です。「虚無への供物」や「虚無への供物」へのリスペクト「天帝のはしたなき果実」などが読みたくなりました。
2012/01/18
辛口カレーうどん
中井英夫氏の小説は、読んだ事がないが近々読もうと心に決めた。どの方も気迫を感じるほど、中井氏へのリスペクトを感じた。
2015/08/14
橘
肝心の「虚無への供物」を未読なのですが面白かったです。「虚無への供物」を読みたくなりました。絶対好きです。寄稿されてる作家さんたち好きな人が多いですし、ミステリ作家さんは幻想小説も書かれる方々なのは中井英夫さんの影響かなと思いました。既読のお話も未読のお話もあり、不思議なの怖いの、興味深かったです。「小説は天帝に捧げる果物、一行たりとも腐っていてはならない」みたいな言葉が印象的です。「天帝のはしたなき果実」の元ネタ(?)は中井英夫さんだったのか。
2022/04/30
blue_elephant
中井英夫氏に捧げる錚々たる作家たちの愛、尊敬の念。中井英夫氏の代表作、三大奇書のひとつといわれる「虚無への供物」に捧げる短編やエッセイ。贈られた薔薇と一緒に撮られた口絵の写真がとても素敵で、中井英夫氏が生きてこられた世界を追随することでしか味わえないのがとても残念だけれど、中井氏の描かれる世界の血を受け継いだ作家たちの作品を読めることが悦びでもあります。皆川博子氏、津原泰水氏の短編は以前読んだこともあったが、このひとつに纏められた世界観の中で再読すると、また違う趣きで愉しめました。
2019/05/07
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