また会う日まで
また会う日まで / 感想・レビュー
ヴェネツィア
休暇をとって大阪から東京にやって来た有麻の1週間を描く。これといって劇的なことは何も起こらない。主な登場人物は、語り手の「わたし」と高校の同級生だったしょうちゃん、鳴海くん、2学年下の凪子、会社の元同僚の李花ちゃん。李花ちゃんを除いては大阪出身者であり、地の文は共通語だが、会話文は大阪弁である。彼らはある種の異邦人であり、逆に言えば東京の風景はここでは異郷としての風貌を帯びる。そうした相対化こそがこの小説の存立基盤である。そして、その中で李花ちゃんは彼らの世界を繋ぎ止める杭である。
2022/06/04
巨峰
タイトルはこれしかないよねと途中から思いました。大阪から東京に移った高校時代の男友達たちを訪ねる女子OLの月曜から土曜までを描いた作品。舞台は東京、言葉は大阪弁、柴崎さんの世界です。でも、小説はいいところの手前でおわる。もう1日書いて欲しかった。どーなったんやろかなぁw
2013/11/09
しょこら★
なんか不思議な雰囲気だった。よくわからないんだけど、でも東京に上京してきて、手持ち無沙汰でなにもかも珍しいふわふわした感じとか、バンドライブのあとの、歌い出しそうなみんな仲間みたいな、気持ちのいい高揚とか。ちょっと良かった。あと、学生時代のふとした出来事がいつまでも心の引っかかってる感じ。答えなんてないんだけど、いつまでも、いつまでも…
2015/02/26
kaoriction@感想は気まぐれに
今日は知らない、まだ出会っていない見知らぬ誰かと、実は既にすれ違っていたり。何か新しいことを始めてみたり、知らない街へふと思い立って行ってみたり。そういうことなんだよね。珍しく東京が舞台。ふわふわしているのに、地に足がついているような。不思議な男女の関係。なんかいい友達関係。軽やかに真っ直ぐを向いて。月曜日から土曜日までのフツーの話。時間はごく緩やかに淡々と過ぎ行く。誰かと出会って何かが始まりそうで何も始まらなくて。仕事へ行って食べて呑んで、喋って寝て。また見知らぬ誰かとすれ違って出会って。都会の片隅で。
2019/02/08
リノン
柴崎友香さん、初めて読みました。こういう小説は初めて読んだような。月曜〜土曜日まで区切りながら物語が進んでいくのですが、1日の終わるタイミングが絶妙で驚きます。最終的に何が伝えたかったのかは、よく分かりません。雰囲気は好きな感じです。凪子は面白い!
2014/12/03
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